歌手の西城秀樹(61)、浅田美代子(60)らを発掘した芸能事務所「芸映」会長の青木伸樹(あおき・のぶむら)さん(享年89)の通夜が16日、東京・世田谷区の勝國寺青龍殿でしめやかに執り行われ、タレント・西村知美(45)、女優・広末涼子(35)ら、生前親交のあった業界関係者約1000人が参列した。

 1970年代のアイドル全盛期に西城を大スターに育てた青木さんは、68年に社長に就任し、91年から現職についていた。戒名は「慈篤院慧觀伸照大居士(じとくいんけいかんしんしょうだいこじ)」。

 事務所に30年間、所属している西村は「30年間、怒られたことはなかった。あの笑顔は忘れられない」と目に涙を浮かべながら語った。いつも「元気か?」「風邪ひいてないか?」と体調のことを気にかけられていたという。

「以前、私が食べすぎで太っていたころ、『痩せなさい』といわれたことがあった。一人ひとりを見てくれていたんだと思う」としみじみ語った。

 また、ものまね芸人のコロッケ(56)は「まだ、ものまねタレントはコンサートができないと言われていた時代に、コンサートを開催するのにご尽力をいただいた」と明かし、ものまねタレントの地位を高めてくれたことに感謝した。そして「私の35周年パーティーのときも、五木(ひろし)さんや山本譲二さんなど、ご本人を呼んでいただいた。あれほど盛大にできたのも会長のおかげ」と涙を浮かべた。

 ものまねを「先輩方のまねをするのだから失礼なこと」と話すコロッケだが「会長からはご本人に筋を通すことなどを教わった」と話し、「新しいものまねにつくったときに喜んでくれた」という青木さんの思いを大事にしていくことを心に誓った。