プロ野球の清原和博元選手(48=有罪確定)に覚醒剤を譲り渡したとして、覚醒剤取締法違反(譲渡)に問われた群馬県の飲食店勤務・小林和之被告(45)の論告求刑公判が15日、東京地裁で開かれた。

 清原の薬物事件で“隠れたキーマン”とされてきた元タニマチ・実業家A氏の実名が法廷の場で初めて明かされた。A氏は清原とは約20年来の付き合いで、覚醒剤を一緒に使用してきたいわくつきの人物。だが後にA氏は清原と仲違いし、清原の薬物使用の実態を一部週刊誌に証言してきた。清原にとっては“売られた”格好で、A氏は因縁深い人物と言っていい。

 小林被告はこの日の公判で、清原とA氏がケンカ別れしたため、2014年9月ごろから自身が清原に覚醒剤を渡す売人役を担ったと証言。さらに、同年7~9月の間に「(清原が)恐喝されていた。暴力団を送り込まれると聞いた」と供述した。

 A氏も昨年、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕されている。関係者によれば「東京拘置所で服役しており、取材で面会を希望するマスコミとの接触は強く断っている。A氏の心情、動向が分からず不気味」という。

 A氏はいまなお清原に対する恨みが晴れていないようで「清原が恐れているのは、A氏が出所した後にまたマスコミにベラベラしゃべられること。何とか薬物依存から脱却しようとしているのに、足を引っ張られかねないから」。清原にとってA氏の動向は気がかりだろう。

 検察側は小林被告について「刑事責任は重い」と断罪し、懲役3年を求刑。弁護側は執行猶予を求めた。判決は7月5日。