ロックバンド「ゲスの極み乙女。」のボーカル、川谷絵音(27)との不倫騒動で芸能活動を休業していたタレントのベッキー(32)が10日、BSスカパー!「FULL CHORUS~音楽は、フルコーラス~」(火曜午後9時)の収録前に報道陣の取材に応じ、不倫騒動を改めて謝罪した。ついに本格的な復帰の道を歩きだしたが、舞台裏を探ってみると世の“不倫ブーム”と舛添要一東京都知事(67)の問題が起きたことで、ベッキーに“神風”が吹いたようだ――。

 無数のフラッシュを浴びて登場したベッキー。最初は目をキョロキョロ動かし、焦点の定まらない様子で「本日はお忙しい中、お集まりくださってありがとうございます。一連の騒動で多くの方にご迷惑をおかけしました。今日からお仕事のスタートをさせていただきます。ゼロから頑張っていきたい」と深々と頭を下げた。

 ベッキーは不倫が報じられた直後の1月6日に釈明会見を行ったが、川谷とは「友達」であるとして、不倫関係を否定。質問も受け付けなかったことで猛批判を浴びた。

 その後、4か月余りの謹慎生活を経て、先月13日に放送されたTBS系「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」でテレビ復帰。川谷との関係について、SMAP中居正広(43)から「ウソはありましたか?」と問われると、「ありました」と認めた。

 この日、会見で改めて報道陣から川谷との不倫は事実なのかを問われると、ベッキーは「事実です。申し訳ない気持ちでいっぱいです」と目に涙を浮かべて謝罪した。

 川谷と最後に連絡を取ったのは1月中旬。内容については「控えさせていただきたい」としたが、川谷への今の思いを聞かれると、「吹っ切れました」と話し、会う予定について「ないと思います」ときっぱり。当時の自分に対し、ベッキーは「人の気持ちを考えて、正しい道を歩みなさいと言いたい」と叱責した後に「人を傷つけない恋愛をしたい」と前を向いた。

 1月以来、5か月ぶりの公の場となった会見は収録前のわずか10分余り。核心部分は「迷惑をかけるので…」と口を閉ざし、謝罪に終始した内容だった。

 たった10分で終了。おまけに肝心な質問に答えずじまいで、またぞろバッシングが出るかと思いきや、そんな雰囲気はほとんど皆無。いったいなぜ? その答えはどうやら会見を行ったタイミングにありそうだ。

 1月のベッキーの不倫騒動後、世の中は同様のスキャンダル報道が相次いだ。米米CLUBのボーカル・石井竜也(56)、元衆議院議員の宮崎謙介氏(35)、落語家の六代桂文枝(72)、元教員でタレントの乙武洋匡氏(40)、お笑い芸人のとにかく明るい安村(34)など次々とお茶の間をにぎわせる不倫騒動が勃発。

「いまは“大不倫ブーム”。特にベッキーと同じように好感度の高かった元『ファンキーモンキーベイビーズ』のファンキー加藤の“妊娠ダブル不倫”が発覚した。続いて、落語界の大物、三遊亭円楽も不倫騒動でしょう。他にも芸能界以外にも不倫騒動が次々に起こり、1月のベッキーの騒動はもう古い話のように錯覚してしまう。不倫ネタも世間的にもマスコミ的にも“おなかいっぱい”状態。そんなタイミングで会見を開けば、当然追及の手も緩くなる」(テレビ局関係者)

 さらに、ベッキーにとって最大の追い風となったのが舛添都知事だ。

 ベッキーは報道陣の質問を受け付けない1月の謝罪会見で見せた“逃げ”の姿勢が世間の反感を買ってしまったが、今や舛添都知事がお茶の間の“嫌われ者”を一手に引き受ける格好になった。

「政治資金の公私混同疑惑が次々に明るみに出て、会見でも逃げ切る気満々な態度で世論の圧力は増すばかり。テレビで舛添都知事を取り上げると視聴率もいいので、かなり時間を割いている。ワイドショー的にも今ベッキーを叩く必要はないし、今回の会見で“ひと区切り”。10分間しか会見時間がなく、ベッキーの本心もお茶の間に伝わったとは言い難いが、以前のように批判的に取り扱うことはないでしょうね」(前出のテレビ局関係者)

 ベッキーはこの日の収録をもって、同番組に司会としてレギュラー復帰するという。

 他のレギュラー番組への復帰について、事務所関係者は「他は未定」としたが、別のテレビ局関係者は「視聴者のアレルギーがなくなっている状況を見て、7月の番組改編期でレギュラー復帰させる番組も出てくるでしょうね」と指摘する。

 一時期は年内復帰を絶望視する声もあったが、世の不倫ブームと舛添都知事の問題が起きたことで、絶妙な復帰会見となり、ベッキーの背中を押した形になったようだ。