舛添氏の政治資金の私的流用疑惑をめぐって、一般質問が行われた東京都議会に8日、ロックンローラーの内田裕也(76)が予告通り現れ「東京都知事としてのプライドを忘れないでほしい。人間、プライドがなくなったら何でもありじゃないですか」と舛添氏に身を正すよう迫った。

 これまでの舛添要一都知事(67)の説明に内田は全く納得していない。

「昨日見てて、憤りを感じた。茶番劇でさ、ヤメ検の人(調査を行った元検事の弁護士)にも怒りを持っているんです。マスコミも何にも言えないんだな。『そんな調査して何になるんですか』ってさ。強い者に対して、しっかりとジャーナリストとしてただしてこそじゃないですか」

 内田は1991年に都知事選に出馬したからこそ思うこともある。

「自分が出た都知事が十何年かたってこんなことになるとはね。俺もプライド持って立候補したから、東京都知事のステータスがお笑いに特化しちゃうんじゃないかと思います」と嘆く。

 もし舛添氏が辞任となれば内田はどうするか。

「次は誰だか知らないけど、俺はいいよ。(当時)あれだけ全力で戦ったから。ロックンロールが4位なんて信じられなかった。それが俺のプライドです」

 当時の都知事選の選挙結果で内田は5位だったが、それを忘れるほど内田は怒っているのだ。都議会休憩中の取材では「期待外れだよ。緊張感がない」と議事内容に失望した様子を見せた。

「質問がメチャつまんなかったね。バカバカしくてさあ。小学校の疑似選挙みたいな感じ。期待外れっていうか、ひどいな。こんなので都政が動いていたんだな。知事にならなくてよかったです(笑い)」

 どの議員も舛添氏の基本姿勢を問う質問を最初にして、その後に都政の質問に移った。それが内田にはおかしく見えたという。

「質問は進退問題をやるべきであって、ほかの問題をやってもしょうがないだろ。早く結論を出さないとズルズルと任期までやるよ。自民、公明はどうするんだ。これからも舛添を支持するのか、見限るのか」

 自公の対応が曖昧だから、質疑がつまらないと喝破した。そして内田は議会途中で帰ってしまった。