舛添問題 検察が追い込む?都議会は“ブチ切れ解散”恐れ今会期中の不信任決議見送りか

2016年06月09日 06時15分

この人を追い込むには国家権力しかない!?

 この人を追い込むにはやはり国家権力しかないようだ。東京都議会で7日に各党の代表質問が行われ、政治資金の私的流用疑惑が晴れない舛添要一都知事(67)は予想通り針のむしろとなった。だが、与野党議員の“怒り”は7月の参院選や来年の都議会選挙をにらんだポーズにすぎない。延命密約説もささやかれる中、退陣を求める人たちの頼みの綱は検察や国税局しかない。「政治資金オンブズマン」共同代表の上脇博之氏(57)に聞いた――。

「あまりにセコい! セコすぎる!!」

 予想通り、この日の都議会は荒れに荒れた。本来ならば、都民のために政策を戦わせる場が、舛添氏の問題で台無しとなったのだから当然だ。

 トップバッターで質問に立った神林茂・都議会自民党総務会長(63)が「私は怒っています。都民も議員も職員も」とノロシを上げると、続く公明党の上野和彦議員(63)も「都民から辞職を求める声が上がっている。出処進退は自ら決めるべきだ」と迫った。議場からはその都度「そうだ!」と合いの手が入り、あいまいな返答には「どうして答えられないんだ!?」とヤジが殺到した。

 だが、丁々発止のやりとりの半分はポーズだ。

 都議会関係者は「追及が甘ければ7月の参院選どころか、来年6月の都議会選挙にまで影響が出る。前回の都知事選で舛添氏を担いだ自民と公明もさすがに断罪するしかない。テレビ中継も入っているため、各党の質問者はアピールに必死ですよ」と話す。

 本気で追及する気があるのならば、今会期中に都知事に対する不信任決議案を提出、可決させるだろうが、関係者の話を総合すると、それも厳しそうだ。
「与野党ともに都知事選になった際の候補者が絞りきれていない。また、不信任案が可決された場合、舛添氏は辞職か議会の解散を選べる。正常な人なら辞職だが、舛添氏の場合はブチ切れて解散する可能性もゼロではない。そうすると再び都議選になるわけで、いまいる議員はたまったものではない」(同)

 一部では舛添氏の“ブチ切れ解散”を防ぐために、今会期中の不信任決議を見送ることで、すでに話がついているという情報もある。

 政治に期待できないとなると、あとは公的権力の発動しかない。

 舛添氏の一連の疑惑を受け、5月19日の時点で市民団体「政治資金オンブズマン」が舛添氏を政治資金規正法の虚偽記載などで東京地検に告発している。

 同団体の共同代表で神戸学院大学教授の上脇氏は本紙取材に「間違いなく虚偽記載に当たる。あとは検察が動くかどうかだ」と力説。

 たとえば、さかんに議論されている2011年1月の宿泊費問題。舛添氏によれば正月、家族と神奈川県内のホテルに宿泊。その際、部屋で仕事の関係者と会合を持ったため「会議費用」として経費計上したと説明していた。

 この件は調査報告書でも「違法性はないが、不適切」とグレー認定されているが、上脇氏は「いやいや、不適切じゃなくて完全に虚偽記載です」と断じた上で、次のように語る。

「政治資金というのは文字通り、政治活動のためにどうしても必要なお金です。その点に鑑みると、舛添氏は自ら『家族と過ごすためにホテルを予約した』と話している。そのついでに、本当にあったかどうかは分かりませんが、関係者と会合を持ったと言っている。誰がどう見たって領収書は『ホテル代』でもらうべき。それを『会議費』で計上するのですから立派な虚偽記載ですよ」

 ほかにも舛添氏をめぐっては、飲食費の公私混同や領収書の水増し疑惑が浮上しており、検察は水面下で捜査を行っているという。

「検察が動くかどうかは金額の大きさではなく、悪質性と世論の高まり。今回の件で再び政治資金規正法がざる法と言われていますが、ざる法にするかどうかは検察にかかっている。ざる法でも舛添氏は引っ掛かるということをアピールしなければいけない」

 そう述べた上脇氏は現状を「舛添氏と検察の根比べ」と表現。舛添氏の辞職が先か、検察が本気で追い込むのが先か…。

 前出の都議会関係者は「検察だけではなく、国税局も注視している。資産計上の仕方に疑義が生じているとか。ある職員が『あいつ(舛添)のせいで忙しくなった』とグチっていましたよ」とも話す。Xデーはやって来るのか――。