日本の女性ジャーナリストの草分け的存在で、4月6日に99歳で亡くなった秋山ちえ子さんの「お別れの会」が6日、都内で行われた。

 河野洋平元衆議院議長(79)、菅直人元首相(69)、歌手・森山良子(68)ら約140人が出席。発起人代表としてあいさつした河野氏は「長い間、先生にご指導いただきました。(国会議員だった)父は先生のことをインタビュアーとしては日本一だと言うほど、互いに信頼し合っていました。私の父が死んでから50年、父の話が聞きたくなると、よく通ったものです」と秋山さんとの思い出を披露。

 また森山は「パーティーで初めてお会いしました。その後はコンサートにも来てくれて、衣装を見るなり『第2部の衣装はよかったけど、第1部の衣装はよくなかった』と、いつでも本音をストレートに伝えてくれる人でした。出会えたことに感謝しています」と故人をしのんだ。

 秋山さんはジャーナリストとしての活動のほか、1957年9月から2002年10月まで続いたラジオ番組「秋山ちえ子の談話室」(TBSラジオ)のパーソナリティーを務めた。同番組では68年から毎年「終戦の日」の8月15日に、戦時中に餓死させられた象の実話に基づく童話「かわいそうなぞう」を朗読。戦争反対の立場から、大人だけでなく子供たちにも戦争の悲惨さを伝えてきた。

 この日は出席者が秋山さんの写真を前に献花し、森山は映画「ライムライト」の主題歌「エターナリー」を献歌。また、プライベートで親交があった皇后さま(81)からの供花も飾られた。