2013年6月、ブラジルのパウメイラ・ドス・インジオスで、奇妙な生物の死体が発見された。全身を黒い剛毛で覆われており、口には鋭い牙が見え、手足にもかぎ爪がある事が見て取れる。下半身は毛皮がごっそりとなくなっており、むき出しの皮膚が確認できる。死んでからある程度の時間が経過しているようで、腐乱も始まっているようだ。

 現地の人々には「狼男の死体が発見された」として騒動になっていたようだ。南米では先住民族に伝わる民間伝承と、ポルトガルの移民から伝わった伝承が合わさって「ロビスオーメン(ロビソン、ロブ・オーメンとも)」という狼男の伝説が存在している。昼間は人間のフリをしているが、夜になると狼の本性を出して人々を襲う。また襲われた人も同様に狼男になってしまうとも言われている。

 この死体は伝説の狼男のものだとされている……のだが、不自然なところが多いため、オカルト研究家からも誰かが作製した偽物ではないかとする見方が強い。伝説をよく知る現地の人が、実際のイヌなどの死体に“加工”して誰かがそれらしく作ったものとみられている。

 だが、現在この死体写真はネット上で転載を重ね、多くの人に見られていくうちに、全く別のキャプションや説明がつけられるようになっていった。中身は同じ写真なのだが「アメリカでハンターに殺害され、放置されたビッグフットの画像」や「アメリカで捕まった原始人の死体」などなど、紹介している媒体によって様々なキャプションや説明が付けられている。時期も様々で、今年発見された、2015年のものといろいろだ。多くの情報が出回りすぎていて、初出の年月日があやふやになってしまっている。

 前述の通り、この「狼男の死体」は話題を狙って誰かが作ったものだとされている。ほぼネタだと見られつつも、今でも世界中で「謎の生物死体」と広まり人々を恐れさせる結果となっているのだから、作った人は本望なのかもしれない。

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(提供=ミステリーニュースステーションATLAS