「第8回AKB48選抜総選挙」(6月18日開票、新潟)の速報順位が1日、東京・秋葉原のAKB48劇場で発表され、昨年は速報、開票とも3位のAKB48渡辺麻友(22)が初の速報1位に輝いた。関心が高まる総選挙の本番を今年も生中継するのは、超低迷中のフジテレビだ。番組内容も気になるが、司会はフリーとなっても相変わらずカトパン頼り。おまけに早くもスタッフの不手際が発覚している。局内にはすでに不穏なムードが漂っているといい、不安要素が消えないフジの総選挙特番の中身を緊急リポートする――。

 この総選挙は、45枚目シングル(8月発売)を歌う選抜メンバー16人を決めるために行われる。同シングルは両A面で、1曲は7月期の日本テレビ系ドラマ「時をかける少女」の主題歌。もう1曲は結婚情報誌「ゼクシィ」のCMソングとなることが決まっている。

 速報で渡辺は4万2034票を獲得し、暫定1位。一昨年に開票1位に輝きながら昨年は速報、開票ともに3位に転落した。今年は女王奪還へ好スタートだ。1位を知った渡辺は「信じられない」といった表情で、目には涙。ファンから「まゆゆコール」を受けると「ビックリした。速報で1位になったの初めてなの。本当にファンのみんなが頑張ってくれたんだ、と。ありがとうございます」と感謝した。

 速報では昨年まで3年連続1位と圧倒的な力を見せてきたHKT48指原莉乃(23)が、今回は2位(4万1127票)。900票余りという僅差に渡辺は「さっしーと1000票差。さっしーが怖い、怖い」と恐れていた。

 渡辺は、速報発表前に東京・渋谷のパルコミュージアムで開催される「AKB48選抜総選挙ミュージアム」のオープニングセレモニーでも「さっしーはやっぱり全メンバーの敵というか…。打倒さっしー!」と宣言。指原への対抗意識を隠さなかった。

 フジテレビが生中継する18日の総選挙開票イベント(HARD OFF ECOスタジアム新潟)は、「打倒さっしー」を宣言した渡辺を象徴するような番組作りになるという。

「3時間半もの大型特番の予定ですが、他のメンバーが“打倒さっしー”を合言葉に、指原に立ち向かっていく姿を特番PR用の映像として作成しているところ。格闘技でよく見られるあおり映像ですね。速報順位1位は渡辺ですが、特番の構成は“女王”指原を意識した作りになると思います」(フジテレビ社員)

 昨年は瞬間最高視聴率23・4%、平均18・8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)をマーク。視聴率が伸び悩むフジにとって総選挙は数少ない“稼げるコンテンツ”と言える。同局は第4回から開票イベントを生放送。第5回からは“カトパン”こと加藤綾子アナ(31)が番組の司会を務めてきた。今年の4月いっぱいでフジを退社したが、引き続き加藤アナが司会を担当するという。

「過去2年、進行を宮根誠司とカトパンの黄金コンビが担当してきましたが、AKB愛あふれる仕切りで高視聴率に貢献したカトパンを今年も起用する。しかし局内には『退社したのに』『カトパンに頼り過ぎ』と不満の声も漏れている。以前からカトパンとメル友だと明かした亀山千広社長の“溺愛ぶり”に批判もあったし…」(同)

 さらに、制作陣の危機感のなさを問う厳しい声も噴出しているというから穏やかではない。昨年は、今年4月に卒業した高橋みなみ(25)が4位だったが、生中継では総監督の感動的なスピーチの途中、スタッフと思われる男性の「ははは」「へっへ」という笑い声など不適切な声が聞こえ「真剣さがない」などと視聴者から猛批判を浴びた。

「昨年もひどかったが、実は今年もすでに失態を演じている。総選挙には全国からファンが集結するから、17~18日の新潟のホテルはほぼ満室。そんなことは誰でも予想できるはずなのに、ウチの中継担当は、ちゃんと部屋を押さえてなかった。結果的に何十室も足りなくなり顔面蒼白。その後、なんとか確保したようですが、先が思いやられる」(同)

 今年は総選挙終了後の18日深夜、テレビ朝日系で「総選挙延長戦」としてメンバーらの姿が緊急生放送される。毎年、感動的なメンバーの姿が注目を集める総選挙。延長戦に先立つ本番の生中継で、昨年のような失態がなければいいが…。