出したくても出せない!? 覚醒剤取締法違反罪で懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決を下されてから一夜明けた1日、プロ野球の清原和博元選手(48)にかねて持ち上がっていた“告白本”出版計画が宙に浮いていることが分かった。覚醒剤を断って更生への険しい道を歩む注目の人物だけに、大手出版各社で争奪戦が展開されている。「テレビに出る前にまずは告白本から…」とはよくあるパターンだが、うかつに出版できない事情があった。それは――。

 2月の逮捕直後から複数の出版社が、清原の告白本を出版できないかと可能性を探り始め、争奪戦の様相を呈していたことは本紙がこれまでに報じてきた。

「3月に保釈されたころには、どの出版社から出そうかというところまで概略は決まっていた。うまく事が運べば、それこそ、判決直後とはいわないまでも夏前には出せた可能性はあったんですが…」とはある出版関係者。

 最大の関心事は、その内容だ。暴露本なら周囲を震撼させるものになるはず。ざんげ本でも、どんな経緯で日本を代表するスーパースターが犯罪者に転がり落ちていったのか興味津々。どちらに転んでも、ベストセラーにはなるだろう。

 だが、現実は周囲が思っているほど、トントン拍子にはいかなかったようだ。

「保釈された段階で、清原さんの精神状態があまり良くなかった。クスリをやっていてやめた人は典型的にうつ病のような症状が出るようですが、それに近い状態。まともに本の話などできる感じではなかったそうです」(同関係者)

 清原の健康状態が良くなれば、問題はクリアになるのだろう。だが、人気者ゆえに、後に大問題になりかねない部分があるという。

「清原さんは自伝などの著書もあるし、関連本も多い。これも大きなネックになるのではといわれているんです。本の中身次第ですが、クスリに手を染めた経緯は避けられない。そうなると、以前に出版している著書などの内容と食い違ってしまう部分が出かねない。結果、“ウソ”の告白だったり、記述だったと判明する可能性が出てくる。これが問題になるんです」と同関係者。

 過去の著書にウソの告白などが記載されていたとなれば、出版社サイドも見過ごすことはできない。

「あっちの本ではこう言っていたのに、今回の本ではまったく違うとなれば問題でしょう。まかり間違えば、損害賠償など裁判沙汰ということにもなりかねませんから、そういった不安を解消しなければならない。だから、話もなかなか進まないんだそうです」と同関係者は語る。

 そもそも清原の健康状態は、薬物の影響だけでなく持病の糖尿病などもあり、決して良好とはいえない。

 警視庁は1日、交通の危険を生じさせる恐れがある薬物使用者らに処分を科せるとする道路交通法の規定に基づき、清原を6か月の運転免許停止処分とする方針を固めた。

 まずは心身ともに健康を取り戻さなければ告白本の計画も進まない。薬物の誘惑を断ち切る強い意志を示す決意の本となるだけに、実現すれば大きな話題になることは間違いないのだろうが…。