5月29日、米国の動物園で観光客の少年がゴリラのいるおりのなかに落ちた。少年を救助するため、ニシローランドゴリラの「ハランベ」を射殺する事件が起こった。

 ニシローランドゴリラは絶滅危惧種で、「ハランベ」は繁殖用として動物園で飼われていた。現在、インターネットでは「ゴリラを射殺する必要があったのか?」と世界中で議論されている。

 事件当日の動画は観光客が撮影しており、一部始終が明らかになっており、その中にはゴリラが少年を引きずり回す模様も撮影されていた。その一方、ゴリラが泣き叫ぶ少年を抱きかかえ励ますようなそぶりを見せることから、「ゴリラは少年を救おうとしていた」「騒ぐギャラリーから少年を守ろうとしていたのではないか?」といった推測がなされている。この2点が事実であれば、ゴリラが少年を引きずり回したことは事実だが、攻撃目的ではなかったことになる。

 実際、ゴリラは凶暴な性格ではなく、刺激しなければ攻撃してこないことは証明されていて、かつてはゴリラが柵に落ちた少女を助けた事件があった。


 1996年8月16日イリノイ州ブルックフィールド動物園で、3歳の少女がゴリラの柵に転落したのだが、1匹のメスゴリラが気絶した少女を抱きかかえ近くの岩場へ移動し飼育員へ受け渡した。

 このニュースはすぐに世界へ広がり、「ゴリラはやはり優しい動物だった」ということが広く知れ渡った。くしくも20年後の2016年に同様の事故で射殺されたのは残念であるが、動物園側も少年とその両親も「誰もゴリラを殺したくなかった」という気持ちは同じであり、不運な事故だったと言えるだろう。

【関連動画】ゴリラが子供を助ける動画
https://youtu.be/1TqEU3VtUeM

(提供=ミステリーニュースステーションATLAS)