政治とカネの問題が噴出し、四面楚歌の舛添要一都知事(67)の“恥ずかし~い過去”がほじくり返されている。1992年に発売されたゲームソフトはネットオークションで売り切れ続出。おまけで付いてくる小冊子には「公私混同は失敗の元」「費用は誰が出しているのか考えるべきだ」など、今こそ本人に聞かせたいセリフがふんだんに盛り込まれている。本紙の過去の取材でも舛添氏は“ブーメラン発言”を吐いていた――。

 血税も含まれる政治資金を家族との旅行や食事にガンガン使っていた舛添氏を擁護する人はもはやいない。都知事選で選挙協力した与党からも批判が飛び出し、安倍晋三首相(61)は23日、参院決算委員会で「公私混同という厳しい指摘がなされている。説明責任を果たすべき」と突き放した。

 20日の定例会見で「第三者の厳しい目で精査し…」と繰り返した舛添氏。自ら選定して「第三者」と言い張る神経も都民感情を逆なでしている。その第三者=弁護士の選定を25日までに行うと宣言したが、一度燃え上がった“舛添降ろし”の火は消えそうもない。

 そんななか、ネット上では同氏の過去に注目が集まっている。意外なのはファミコン全盛の1992年に「舛添要一 朝までファミコン」なるソフトを発売していたこと。

「朝まで――」というタイトルは、当時出演していた「朝まで生テレビ!」にちなんだものとみられる。だが、プレーするとわずか数時間でクリアできるため、ゲーマーの間では「クソゲー」と認定されている。

 興味深いのは同ソフトについてくる小冊子「書き下ろし 舛添BOOK」だ。同氏の経験に裏打ちされたビジネス上の心得が記されているが、そこには「公私混同は失敗の元」や「ビジネスがらみか、自分自身の楽しみのためかの区別ができない男はダメである」「その費用は誰が出しているのか考えるべきだ。自前の金も出せない男に自由はないのだ」など、今こそ本人に聞かせたい言葉が並んでいる。

 同ソフトは一連の騒動で価格が急上昇。大手ネットオークションでは品切れが相次いでいる。

“舛添語録”は本紙の過去の取材でも炸裂していた。厚労相時代の2007年には、世田谷区の自宅や別荘を法人名義にしていたことが発覚。“資産隠し”と批判を浴びた同氏は本紙に「何も問題はない。政治とカネについても全く問題ない」と、いまと変わらぬ言い訳を連発。

 08年9月には当時首相だった麻生太郎氏(75)との共通点を披露。「ボクと麻生氏は同じ福岡出身。九州男児らしく、物事をハッキリ言う性格だと思う。信頼できる方だと思う」と自画自賛した。

 中国漁船による尖閣諸島沖の領海侵犯が問題となった10年9月には、後手に回る日本政府を「諜報も含めてインテリジェンスの発想がありません」とバッサリ。続けて「私は若いころ、ドイツや米国の情報機関とソ連について共同研究した。米国でCIAの分析手法を教えてもらった経験からすれば、日本版CIAがないことが国力をおとしめた。(中略)大事なのは、収集した情報をちゃんと分析できる人間を育てること」と言い切った。

「精査」という言葉を連発して、分析すらしていない人もいるが…。

 一連の疑惑で東京都には1万件を超える批判が殺到。民放各局の調査では9割近い都民が同氏に「NO」を突きつけているが、本人は全く動じていない。

 その面の皮の厚さ…いや、心の強さが垣間見えたのが、14年8月の在日コリアンに対するヘイトスピーチをめぐるやりとりだ。

 舛添氏は「ネットや都庁にも批判が来ているが、メールを調べると1人のネット右翼が1000人分やって大きくなっているだけ」と持論を展開。今回の世論調査も「操作されたもの」と言いだしかねない。

 かつてはウイットに富んだ発言で人気のあった舛添氏。09年8月には少子化問題について「私が妊娠させます!」と仰天発言し、その後慌てて「妊娠できない人への不妊治療のこと。治療費が高いから補助金10万円を補正予算で15万円に上げたんです」と補足するちゃめっ気もあったが…。

 永田町関係者は「もうそんな余裕はないでしょう。過去の発言がことごとくブーメランになっている」と語る。