俳優・福山雅治(47)が主演するフジテレビ系の“月9”ドラマ「ラヴソング」の第6話(16日放送)が6・8%の歴代最低視聴率を記録、同時間帯の全局比較でも最低だったことで、同局はお通夜状態だ。それでも7月期の月9で、なんとか巻き返そうと先日、新手のPR作戦を展開するも、ものの見事にスベっていた。もはや打つ手なしの月9は、完全に「終焉の時」を迎えそうだ。(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)

 かつての視聴率男・福山をかつぎ出し、期待された「ラヴソング」だったが、初回10・6%でスタートした後、9・1%、9・4%、8・5%、8・4%、そして今回の6・8%まで落ち込んだ。これまでの月9の最低視聴率は「極悪がんぼ」(2014年4~6月)の第10話の7・8%だったが、これを下回る最低記録となった。

 全話平均でも、月9史上最低視聴率を記録した「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(今年1~3月)の9・7%にも届きそうもない、最低ペースなのが「ラヴソング」だ。

「今後、急上昇することはあり得ない。間違いなく右肩下がりになるはず。4%を切ることがあれば即打ち切り確定です」(フジ関係者)

 2話放送後、亀山千広社長(59)は「激戦区で裏の番組に食われたかなという悔しさと、ちゃんと見るべき人は見てくれているのかなという安心感はある。(さまざまな視聴率カテゴリーの中でも)世帯視聴率では(高数字を)取ってほしかった」と話していたが“月9崩壊”は明らかで上層部も大慌てとなっている。

「早くも次を見据え、桐谷美玲が主演を務める7月期の“月9”『好きな人がいること』の制作発表で『これまでにないチャレンジをしろ!』と初の試みをやったんですが…それも大失敗でした」(同)

 5月1日夜、フジは初の試みとして、主演の桐谷、共演の山崎賢人(21)、三浦翔平(27)、野村周平(22)の4人による制作発表をネットで生配信。新ドラマの制作発表は記者会見の形で行われるのが通例だが、視聴者層の若者によるネット上での情報拡散を狙う戦略でアピールしようとした。これが、いきなり大スベリだったというからどうにもならない。

「フジは当初『1日0時、公式HPで同日午後7時から7月期の月9出演者名とタイトル、物語の詳細、役柄をネット生配信する制作発表で明かす』と予告するはずだった。しかし一部スポーツ紙では、0時の段階で桐谷らキャストがフライング報道されてしまった。局内は『なんで情報解禁されてるんだ!』と大騒ぎ。結局、初の試みはネタバレの格好になり、まったく話題にならなかった。出はなをくじかれ、局内は『これじゃ7月期もダメか…』とタメ息が充満した」(同)

 そのネット生配信も内容ナシだったというから、目も当てられない。

「桐谷は『新しいことに挑戦するドラマ』とあいまいなコメントでしたが、それもしょうがない。だって台本さえもできておらず、4人はどんな話なのか、ほとんど理解していない状態。ドラマと関係ない話で悪ふざけするしかなく、4人とも『生配信なのに、どうしたらいいのか…』と困惑していた。上層部の命令でやったはいいが、グダグダで“ただやればいい”という姿勢だから、こんなことになった」(同)

 制作発表を仕切っていた番組宣伝担当者は危機感なし。制作発表を見た媒体からの問い合わせに対応しなかったり「分からない」と繰り返したりしていたという。

 かつて7月期の“月9”といえば「ビーチボーイズ」「サマーヌード」など夏をテーマにした作品で高視聴率を叩き出してきたが、これでは話にならない。

「出演者をみれば、フジと関係の深い大手事務所のタレントを揃えただけ。大手事務所の言いなり状態で、いくら亀山社長が『ドラマ復活!』と宣言しても、変わったのはネットに頼った制作発表だけ」(同)

 月9復活の道は険しそうだ。