昭和の上方喜劇界を代表する喜劇役者として名をはせた藤山寛美さん(享年60)を追善する「藤山寛美二十七回忌追善 松竹新喜劇」が13日、大阪市の大阪松竹座で初日を迎え、タレントの西川きよし(69)が序幕の「藤山寛美二十七回忌追善 ご挨拶」にサプライズゲストとして登場した。

 渋谷天外(61)ら劇団員や、波乃久里子(70)ら寛美さんとゆかりのある出演者があいさつを行った後、生前、寛美さんと親交の深かったきよしが登場。寛美さんの孫の藤山扇治郎(29)に花束を渡し「今日からいよいよスタートです。ゴールまでしっかり頑張ってください」とエールを送った。

 扇治郎が「ハイ、こつこつ頑張ります!」と、きよしの座右の銘「小さなことからこつこつと」を用いて応じると「それ、私が言おうと思ってた」と苦笑いしたきよしは「藤山先生の二十七回忌の追善興行にご来場くださいまして、松竹の社長に成り代わって厚く御礼申し上げます」とあいさつし会場の笑いを誘った。

 続けて、寛美さんとの思い出に触れ「内山田洋とクール・ファイブが大ヒットしたころに『きよっちゃん、松竹も吉本もないで。仲良くしよ。クール・ファイブに負けないように“フール・ファイブ”を作ろう』と言われまして、藤山先生、坂田利夫さん、レツゴー(三匹)のじゅんさん、月亭八方さんと私を入れていただき、本当にかわいがっていただきました」と語った。

 さらに、特に印象に残っている思い出として「寛美さんがトイレに入ったときに落書きがあって『よお来たな、まぁ座れ』と書いてあったそうです。座ってみたら、小さい字で『右を見よ』とある。見たら今度は『左を見よ』。次は「後ろを見よ』。邪魔くさいなと思いながら見たら『便所の中でキョロキョロすな』と。今でもネタとして使わせていただいております。みなさんもお土産として覚えて帰ってください」と、寛美さんとの会話を披露し会場を盛り上げた。