作曲家で世界的シンセサイザーアーティストの冨田勲さんが5日午後2時51分、慢性心不全のため都内の病院で死去した。84歳。日本コロムビアが8日、公式サイトで明らかにした。

 冨田さんは5日昼ごろ、自宅で倒れ、搬送先の病院で家族に看取られながら息を引き取ったという。葬儀は7日、8日に親族のみで行われた。後日、お別れの会が行われる予定。

 冨田さんは、日本コロムビアで作曲家としての活動をスタートさせ、NHK大河ドラマ第1作「花の生涯」(1963年)や、手塚治虫アニメ「ジャングル大帝」(65~66年)、「キャプテンウルトラ」(67年)の音楽などを多数手がけた。

 70年代に入ると、シンセサイザーをいち早く導入し、「月の光」「惑星」など数々の野心的なアルバムを発表。日本人で初めてグラミー賞にノミネートされるなど、世界的に高い評価を受けた。

 近年は、12年に初音ミクをソリストに組み込んだ「イーハトーヴ交響曲」を発表し、国内外で上演を重ねて話題となった。

 今年11月に上演予定の新作「ドクター・コッペリウス」の創作活動を亡くなる直前まで行っていたという。