アイドルグループ・AKB48が6月1日に発売する44thシングル「翼はいらない」のミュージックビデオ(MV)が29日、初解禁された。

 同作を手掛けるのは、1981年に漫画「気まぐれコンセプト」(現在も連載中)でデビューし、映画「私をスキーに連れてって」「バブルへGO!!」などで知られる馬場康夫監督(61)。特別出演した歌手で俳優の上條恒彦(76)は「出発の歌」で第2回世界歌謡祭グランプリを受賞。「3年B組金八先生」(TBS)、大河ドラマ「秀吉」「軍師官兵衛」など多くの舞台、ドラマ、映画等に出演している。

 MVは、学生運動が盛んだった72年を舞台にした愛憎と悲哀、そして友情のドラマ。学生運動、銭湯、秘めた思い、公衆電話での「母ちゃん、わたし、東京に負けた…」、旅立ちの「あずさ」号、路面電車、アコースティックギター、純喫茶などなど古き懐かしい日本の情景が満載だ。

 数ある当時の青春映画の名シーンをオマージュしてちりばめたMVで、注目は主演メンバーで同シングルでセンターを務める向井地美音(18)、渡辺麻友(22)、柏木由紀(24)、指原莉乃(23)、山本彩(22)の演技。特に向井地に思いを寄せる柏木、悪い男にだまされる麻友の姿に注目だ。さらに、東スポ的には銭湯での渡辺、山本、向井地、柏木らの入浴シーンは外せない!

 初センターで初のMV主演を務めた向井地は「AKB48のメンバーは誰も生まれていない時代ですが、その設定を演じることで、懐かしんでくださる世代の方もいらっしゃるのではないか、と思います。ドラマ部分の演技に関しては、子役時代の感覚を覚えているわけではないので、難しかったのですが、山本彩さんと喧嘩するシーンや、ゆきりんさん(柏木)といろいろとあるシーンとか、多様な要素があって楽しかったです。ゆきりんさんの演技が個人的にも好きなので、すごく勉強になりました」と振り返った。

 撮影で苦労したことについては「8小節と短いながらもアコースティックギターを弾くシーンがあったので、何日も前から練習をして、ゆっくりとなら弾けるようになったんですけど、難しかったです。銭湯のシーンでは、すぐのぼせてしまって大変でした」とコメントした。

 一方、共演した上條は「まだ風の冷たいころの撮影でしたが、皆さんとてもお元気で『我慢強い子たちだな』という印象。自分の孫より若い人たちとご一緒できて光栄でした」と話した。