いまやバラエティー番組やドラマに絶対に欠かせないといわれているのが、子役タレントだ。その勢いで低迷する局の視聴率回復を図ったのが、17日にスタートしたフジテレビ系の新ドラマ「OUR HOUSE」(日曜午後9時)。だが、結果は4・8%の大惨敗の船出となった。同局では、目玉枠の月9で頼みの福山雅治(47)主演ドラマ第2話が、まさかのひと桁、9・1%と低迷し、もはや“タレント殺しのフジテレビ”といえそう。とはいえ、それでも子役ブームは今後も続くという。その意外な理由とは――。

「いまや、何をやっても当たらないフジテレビが2011年に放送され、大人気となったドラマ『マルモのおきて』の再来を願い、立ち上げたのがドラマ『OUR HOUSE』。表向きはシャーロット・ケイト・フォックスが主演だが、本命は人気子役の寺田心くんといまや子役界の大物女優とまでいわれる芦田愛菜ちゃんの2人だ。フジの必死さが伝わってくる」(他局の編成マン)

 人気子役2人に命運を託したフジだったが、注目の初回(17日)は4・8%。同じ日曜午後9時の嵐のマツジュンこと松本潤(32)主演のドラマ「99・9」(TBS系)の15・5%にトリプルスコアの大差をつけられてしまった。

 フジは目玉枠の月9にかつての視聴率男・福山雅治を主演に据えた「ラヴソング」をスタートさせたが、初回10・6%、第2話9・1%と低迷。本紙既報通り、亀山千広社長(59)の進退問題に発展する可能性までささやかれ始めた。

「結婚後、初ドラマの福山に加え、人気子役の寺田心、芦田愛菜までも“撃沈”させたフジの責任は重い。“役者殺し”に他ならない。ここまでくると、役者や事務所はフジのドラマにはホントに出なくなりますよ」(芸能プロ関係者)

 人気子役の今後にも関わりそうだが、それでも子役ブームは意外にも安泰だという。

「子役をドラマで起用する一番のメリットは、コストパフォーマンスが優れているからです。愛菜ちゃんクラスでも、出演料は1話10万円に満たない。ましてや寺田君にいたっては3万円くらい。知名度と人気度はアイドル並みなのに、ギャラはポッと出の芸人レベルなんです。これは起用しない手はありません」(制作プロデューサー)

 子役のギャラがここまで格安なのには理由があるという。

「テレビは基本、映画界の伝統を引きずっていて、映画も子役のギャラは驚くほどリーズナブル。また、子役らの大半が大手芸能プロには所属していないことも大きい」(芸能プロ関係者)

 それでも収入は、人気俳優・女優ぐらいにもらっている。CMがあるからだ。

「子役や事務所側からすれば、テレビでの露出は、いわばCM出演権をゲットするための手段といっても過言ではないんです。バラエティーやドラマで顔が売れればCM界からオファーが掛かる。ギャラも最低1000万円からで、人気子役となれば2000万~3000万円と跳ね上がる」(広告代理店幹部)

 もっとも毎年1000人近い子役がデビューして、生き残れるのは3人にも満たない厳しい世界とも。そんな貴重な人材なのだから、なんとかストレスを抱えさせない視聴率を稼いでほしいところだが…。

(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)