テレビ朝日系「報道ステーション」のキャスターを務める古舘伊知郎氏(61)が31日放送の同番組にラスト出演し、視聴者に向けてあいさつした。

 古舘氏は番組最後に「私が大変気に入っているセットとも今日でお別れとなってしまうわけです」と切り出すと、「無遅刻無欠勤で12年やらせていただきました。ひとえにテレビの前で今見てくださっている皆様のおかげだなと痛感しております」と視聴者に感謝した。

 そして「このごろは報道番組で開けっぴろげに昔よりもいろんな発言できなくなりつつある空気は感じています」と告白し「つるんつるんの無難な言葉で固めた番組などちっとも面白くありません」と断言。「人間がやっているんです。人間は少なからず偏っています。だから情熱を持って番組を作れば多少は偏るんです。しかし全体的に程よいバランスに作り直せば、そこに腐心していけばいいのではないか」と話した。

 さらに後任キャスターとなる同局の富川悠太アナウンサー(39)について「1回たりとも仕事のグチを聞いたことがない」とその人柄を紹介。そのうえで「3か月、半年という短期間でなく、長い目で温かく見守ってほしい」と視聴者に呼びかけ、富川アナにも「乱世の雄になれ」とエールを送った。

 古舘氏は昨年12月24日に12年間メーンキャスターを務めた同番組の降板を発表。「不自由な12年間でした」と語り、今後については「制約のないところでしゃべり倒したい」と心境を明かしていた。