新函館北斗―新青森の約149キロを結ぶ北海道新幹線が、26日に開業した。1988年3月に開業した青函トンネルを通って新幹線が初めて北海道に入り、新幹線のネットワークが北海道から九州までつながった。


 映画「家族はつらいよ」(公開中)に鰻屋役で出演し、妙なインパクトを残している演歌歌手の徳永ゆうき(21)は鉄道マニアとしての活躍も目立つ。その徳永に、北海道新幹線と函館市の魅力をマニアックに解説してもらった。


 徳永が最初に挙げたのが、青函トンネル前後の「三線軌条」だ。「青函トンネルは新幹線開業後も貨物列車が走るので、標準軌と狭軌の両方のレールが敷かれています。1本が共通、中に貨物列車用の狭軌、外に新幹線用の標準軌と3本のレールがあるんですよ」。三線軌条は秋田新幹線の一部にあるぐらいで、営業路線では珍しい。北海道新幹線では青森県の新中小国信号場から北海道の木古内駅までが該当部分だ。


 新幹線を降りた後、函館市で見るべきものとして挙げたのが、未成線・戸井線の遺構だ

。「戦時中に工事が始められ、9割完成していたにもかかわらず、資材不足で中断。戦後も工事は再開されませんでした。美しいアーチ橋や橋脚が残っていて、これがいいんです!」


 江差線を引き継ぎ第3セクターとして営業を開始する「道南いさりび鉄道」の車窓もおすすめだという。「海沿いを走るから景色がいい。社名のいさり火が見られるところもあります。ゆっくりを意味する道南の方言を冠した『ながまれ号』も走り、のんびり車窓を楽しみながら旅をするのに最適な路線です」


 なお徳永は同鉄道の「特別応援隊員」を務めており、新曲「函館慕情」が応援ソングに採用された。


 徳永は「青函トンネルは24年という時間とたくさんの人の努力、日本の優れた技術を投入してやっと開通し、そこからまた28年かかって新幹線が通りました。トンネルは暗いですが、そんなことを思いながら通ってもらえれば、旅がより味わい深くなると思います」とかみしめるように話していた。