「1号」藤岡弘、が平成仮面ライダーに“注文”

2016年03月27日 10時00分

若いライダー俳優に“覚悟”を求めた藤岡弘、

 俳優・藤岡弘、(70)が、映画「仮面ライダー1号」(公開中)で、45年前に演じた「仮面ライダー」の本郷猛役を再び演じている。当時の藤岡が1号ライダーに込めた思いと願い、そして平成ライダーを演じる俳優への“注文”まで、本紙に熱く語った。

 映画の冒頭で本郷猛は暴漢に襲われ、返り討ちにする。そのアクションシーンは、撮影時69歳となった藤岡が全て演じ切った。スタントマンは使わなかったという。

「6歳からずっと武者修行をしてきて、会社に武道場を造ってずっと訓練し続けていますから。今でも3人ぐらいなら、襲ってきても問題なく対応できます。海外では10人以上に襲われて撃退したことが、何度もありました。相手がピストルを持っていたら? 撃たれてもこちらの急所を外させて、相手を殺します。私の俳優としてのポリシーは“実をもって虚と成す”。実践的な訓練を積んだ上で演じているから出せるものがあるんです」

 70歳にして気迫、体力とも並ではない。

「仮面ライダー」が初めて放送されたのは1971年4月3日。その後の日本の特撮作品に大きな影響を与えた。藤岡は主役を引き受けるにあたり、役にある思いを注入したという。

「小さいころに『鞍馬天狗』を見て感動していたから、お話をいただいてこれは同じだと思いましてね。ここまで子供にとって大きな存在になるとは思わなかったけど(笑い)。当時、私は初代として“仮面ライダーのイメージ像を固める強烈なメッセージを入れなければ”と思った。未来を作る宝である子供たちへのメッセージ、それが愛・正義・勇気。そして、これは今まで言ったことがなかったけど、日本人が継承してきた武道的な精神“侍魂”を入れたんです。つまり“サムライダー”でもある。それが本郷猛です」

 初代ライダーの成功を受けて番組はシリーズ化され、平成に入って復活したシリーズも現在の「仮面ライダーゴースト」が17作品目。平成ライダーは佐藤健(27)、菅田将暉(23)、福士蒼汰(22)らの人気俳優を輩出し、いまや若手役者の登竜門的な作品になっている。実は、藤岡が今作への出演を決めたのは、ある時、平成ライダーを見て違和感を覚えたからだった。

「45年前の役をもう一度演じることに大変な葛藤もあった。ただ、これまで何十人とライダーが出てきたけど“どうも違うな、気を込めた元祖ライダーのメッセージが消えつつあるんじゃないか”と思ったことがありましてね。原点にもう一回立ち返ってくれというのが今作に込めた私の思い。そしてこれからライダーを演じる若いスターたちへのメッセージです」

 ライダーを演じる俳優に言いたいことがあるという。

「ヒーローを演じるというのは、重い荷を背負うことになるんです。見てくれた子供たちを裏切るようなこと、失望させることは絶対にしてはいけない。私もそうですが、これは永遠に続く。演じる俳優はそれを意識し、自分だけの問題ではないと自己管理をしっかりしないといけない」

 プロ野球界では子供が失望するようなニュースが相次いでいるが、ヒーローを演じる役者にこの言葉は届くだろうか。