今夏の参院選で自民党からの出馬が有力視されている「五体不満足」の著者として有名な作家・乙武洋匡氏(39)は、近く正式に立候補を表明すると見られていたが、先送りの状態が続いている。

 自民党関係者によると乙武氏は来月6日、自身の誕生日に合わせて参院選の出馬宣言を行うとみられていたが、慎重な態度を取るようになったという。

 参院選出馬を正式表明する時期については、来月24日に投開票される外相や官房長官を歴任した故町村信孝氏の死去に伴って行われる衆院北海道5区の補欠選挙の結果が出てからとなる見通しが浮上した。

「乙武氏は選挙に向けて着々と準備を進めていると聞くが、まだまだ慎重だ。理由は負けるはずがないと予想された北海道5区の補選が、野党候補者が善戦して、自民党の候補者が苦戦するデータが出ている。乙武氏の出馬表明は補選の結果が出てから。結果を見て出馬を取りやめるか? その選択肢も残されているんだよね」(自民党関係者)

 本紙既報通り、乙武氏の政治家転身は昨年、与野党問わず争奪戦を繰り広げられた結果、自民党からの正式な出馬が有力となった。だが、もともとは友人だった「日本を元気にする会」の松田公太代表(47)が、どの政党よりも早く打診したことが始まりだ。

「生活の党と山本太郎となかまたち」の小沢一郎代表(73)は22日、定例会見の中で「乙武氏の立候補についてはまだ聞いていないんですが、やっぱり、いろいろな分野でなんとはなしに(著名人の候補者が)権力のほうへの流れが目立っているね」と批判した。

 乙武氏は政界入りに強い意欲を示しているが、正式表明に至らない理由は他にあるのか。

「タレント候補の場合、スキャンダルが怖い。自民党の比例代表で正式に出馬する『SPEED』の今井絵理子氏は、週刊誌で関係者のスキャンダルが報道された。発表前に処理しきれず出馬表明して有権者のイメージが悪くなったのではないかと心配されている。乙武氏は期待が大きいので慎重になるのは当然でしょう」(前出の同党関係者)

 果たして正式な発表はいつになるのか。