無名芸人が広告業界で一躍“有名芸人”となった。

 タレントの佐藤美希(22)が8日、都内で行われた「第53回宣伝会議賞」贈賞式にプレゼンターとして登場。同賞イメージキャラクターの佐藤から花束を受け取ったグランプリが芸人の今野和人(31)だった。

 今野は、プロダクション人力舎に所属するお笑いトリオ「ザ・フライ」のメンバーだ。同賞関係者によれば「芸人さんの受賞は初めて」と史上初の快挙達成で名誉と何よりもうれしい賞金100万円をゲットした。

 人力舎の「今野」といえば、先日、東スポ映画大賞でビートたけし審査委員長から激励を受けた元お笑いコンビ「キングオブコメディ」の今野浩喜(37)だったが、“第2の今野”が登場というわけだ。

 今野は「JTBの旅行券」に関する広告表現でグランプリに輝いた。「今回の挑戦が2回目なんです。芸人以外のこともやりたくて。芸人としての年収は3万~4万円。100万円は絶対に事務所に渡しません! もちろんグループでも折半しません!」と笑わせる。今後は「芸人としてまだ芽が出ていないので、キングオブコントの準決勝に1回進出しただけ。今度はキングオブコントで優勝したい」と意気込んだ。

 ある芸能プロ関係者は「特にここ最近ですが、芸人の社会的評価が向上している。クリエーティブなフィールドで活躍することが要因なのでしょう。今野の受賞も素直に実力が評価されてのものです」と話す。言わずと知れた芥川賞作家にもなった又吉直樹(35)もその一人だ。もはや芸人というだけでバカにされる時代ではなくなった。

 芸人のブレークといえば「M―1」「R―1」、今野が目標にする「キングオブコント」など、お笑いの賞レースで活躍するのが王道だったが、「今後はこういった異業種コンテストからのし上がる芸人も増えそう」と前出関係者。今野の「ザ・フライ」はこれをチャンスにブレークできるか。