2月28日に授賞式が行われた「第25回東京スポーツ映画大賞」において、映画「海街diary」で主演女優賞を受賞した女優・綾瀬はるか(30)と、ビートたけし審査委員長(69)から急きょ監督賞を譲り受けた是枝裕和監督(53)が今夏、映画「いしぶみ」で再びタッグを組むことが決まった。

 第2次世界大戦下の広島が舞台の「いしぶみ」は、労働に駆り出された中学生たちが主人公。迎えた1945年8月6日、頭上で原爆が炸裂したことで、生徒たちの運命はどうなったのかを描いた不朽の名作だ。

 1969年に「碑」のタイトルで女優の故杉村春子さんを語り部に起用して放送され、書籍化もされた。昨年には戦後70年特別番組として「いしぶみ~忘れない。あなたたちのことを~」(広島テレビ制作)としてリメーク。綾瀬が朗読担当、是枝監督演出で全国放送された。この放送を再編集したものが、7月下旬から順次、東京・ポレポレ東中野などの劇場で全国公開されることになったのだ。

 広島出身の綾瀬は「原爆の惨禍によって、突然に短い命を終えていった子供たちの最期の一日を綴ったこの手記は戦争の悲惨さ、平和の尊さを伝えていると思います。この夏『いしぶみ』をご覧頂いて、一人でも多く平和への強い思いが芽吹くきっかけになったならと願っています」。

 是枝監督も「50年近く前に放送された『碑』を観た時、この番組に関わったすべてのスタッフ、そして朗読の杉村春子さんに心から畏敬の念を抱きました。そこには、伝えることについての大胆で真摯な考察と、視聴者の想像力への信頼が溢れていました」とコメントした。

 たけしも認めた「海街diary」の黄金タッグがこの夏、再びスクリーンでよみがえる。