AKB48グループに所属する26人のメンバーが6日、岩手県盛岡市の岩手県民会館で東日本大震災の復興支援ライブを行い、約1500人を魅了した。5年にわたって毎月1回の復興支援ライブを続けてきた同グループだが、現在に至る過程ではバッシングも含めた“逆風”も受けてきたという――。

 この日参加したのはAKBから総監督の横山由依(23)、渡辺麻友(21)ら19人。SKEは松井珠理奈(18)、松村香織(26)、NMBは山本彩(22)、藤江れいな(22)、HKTは指原莉乃(23)、NGTは北原里英(24)、加藤美南(17)が参加した。

 同グループは2011年3月の東日本大震災発生直後から義援金の寄付や通園・通学の送迎用車両などを寄贈したほか、同年5月の岩手県大槌町、山田町を皮切りに毎月1回、合計で59回被災地を訪れ、ライブなどを行ってきた。

 この日はAKBの代表曲「会いたかった」「フライングゲット」など16曲を披露。宮城県仙台市出身で、被災したAKBの岩田華怜(17)は「約5年間、東北に元気になってほしいという一心でAKBで活動してきました。AKBを卒業しますが、どんなにつらくても苦しいことがあっても、東北で頑張ってきたことを忘れません。大好きな故郷、大好きな東北にまた帰ってきます」と涙ながらに話した。

 横山は「私たちができることは歌って、踊ることだと。みなさんがそれで笑顔になっていただければ。これでいいんだ、と。少しでも元気を与えれるんだと思いました。5年になりますけど、これからも私たちAKB48は支援活動をしていきたい」と約束した。

 ただAKB48グループが支援活動を継続することについてはこれまで、さまざまな苦労があったという。今でこそ前向きに支援活動を行えるようになったが、当初は『偽善だ』『売名だ』とネット上で心ない罵詈雑言があふれた。

「3月11日を静かに過ごしたいと思う被災者がいるのは事実で、特にAKBファンの親御さんからは反発もあった。しかも毎月行っているライブなどの支援活動は、3月以外はまったく報道されない。『3月だけ来やがって!』と批判する声も多く、ショックを受けるメンバーも多かった」(テレビ局関係者)

 元総監督の高橋みなみ(24)が「このタイミングに被災地に来るのは申し訳ない気がする」と苦しい胸の内を明かしたこともある。ただ激しいバッシングに苦しみながらも支援活動を継続してきたからこそ、“強さ”が生まれたとも言える。

「今回、支援ライブに参加したAKBの佐藤朱(19=宮城県出身)、舞木香純(18=福島県出身)らは復興支援ライブを見たことをきっかけにAKBを志した。実際に支援活動をきっかけに加入したメンバーが間近にいることは、バッシングに苦しんだメンバーにとって大きな勇気になった。『何もしないより、何か自分たちができることをしよう』とみんな前向きな気持ちになっている」(同)

 今後も心ない声がすべてなくなることはないとしても、AKB48グループが支援活動をやめることはない。