歌手生活30周年を迎えた演歌歌手・坂本冬美(48)が2日、都内で30周年記念曲「北の海峡/愛の詩」の発売記念イベントを行った。

 デビュー曲の「あばれ太鼓」から新曲の「北の海峡」まで7曲をファン100人の前で熱唱した坂本。これまでリリースしたシングル盤が並べられた写真を見直すと「デビューのときはレコードだったんですよね。自分では昭和の歌手というイメージはなかったけど、こうやって改めて見ると、ギリギリ昭和の歌手だったんだなと」と30年の月日を振り返った。

 この日は「北の海峡/愛の詩」の両曲の作詞を手がけた、たかたかし氏(81)が駆けつけた。坂本は「『愛の詩』は深いんです。初めは愛する人を思いながら歌っていたけど、歌っていくうちに、父親や猪俣(公章=作詞・作曲家)先生だったり、ずっと見守っていてほしいと思う人が頭に浮かぶ。恋愛を超えて深い愛を感じる歌です」と語った。

 この「愛の詩」は2014年のゴーストライター騒動で注目を集めた新垣隆氏(45)が作曲し、先日は公開レコーディングも行った。しかも、この新垣効果は、発売前から表れていたという。

 ある音楽関係者は「普段なら演歌歌手を扱うことのないFMラジオ局が『愛の詩』には興味を示して、発売前から何度も流してくれている。当然、FMを聞いているのは、今までの坂本さんを支えている層とは違うので、ファン層を広げる大きなきっかけになっている」と話す。

“新垣効果”で発売前からブレークし、CDの出荷枚数にも変化が生じている。

「人気演歌歌手が、通常発売するであろう枚数の3倍近い出荷を予定している」とレコード会社関係者。16年をリードする一曲になるかもしれない。