テレビ出演も多い“おネエ系トレーナー”の石川英明容疑者(45)が先月29日、覚醒剤取締法違反(譲り受け)容疑で神奈川県警薬物銃器対策課と横浜水上署の合同チームに逮捕された。昨年11月に売人の男から覚醒剤2グラムを6万円で購入した疑い。石川容疑者は「食べる順番ダイエット」を売りに、バラエティー番組のダイエット企画では、ビビる大木(41)やレッド吉田(50)の肉体改造を行った。その道の第一人者でありながら、なぜ覚醒剤に手を出してしまったのか。

 痩せる秘訣はエクササイズではなく、シャブだったのか――。

 フィットネストレーナーでスポーツジム経営会社役員の石川容疑者は「ピラティス」の指導者として活躍。おネエ全開の強烈キャラで一時期メディアに引っ張りだこだった。

 バラエティー番組のダイエット企画ではトレーナーを務め、これまでビビる大木やレッド吉田、元Gカップグラドル・尾崎ナナ(33)、元都議会議員でタレントの鳩山太郎氏(41)の肉体改造を成功に導いている。

 一流のプロ野球選手やサッカー選手など、サポートしたアスリートも数多い。そんな一流トレーナーが人知れず覚醒剤に手を出していたとは…。

 事件現場は東京・中野なのに、捜査に当たったのは神奈川県警薬物銃器対策課と横浜水上署だった。

 水上署の関係者は本紙の取材に「すでに逮捕していた売人が覚醒剤売買の元締だ。その売人の周辺者を洗ったところ、石川容疑者の名前が出てきて、入念な裏づけ捜査を経て逮捕に至った」とコメント。“顧客情報”で逮捕されたのは石川容疑者だけでなく、複数人にのぼるという。

 石川容疑者だけが報じられたのは、いわゆる“有名税”で「今後も捜査を続ける」(同)というから、神奈川発のルートから“大物”が引っ掛かる可能性は大いにありそうだ。

「清原和博容疑者のケースしかり、このところ警察は覚醒剤事案を精力的に捜査している。それは背後に暴力団がいるためで、山口組の分裂騒動もあり、ここで一気に弱体化を図る狙いがある」とは警察関係者。

 しかも今回は所持、使用の現行犯ではなく、売人の顧客情報を基にした譲り受け容疑による逮捕だ。別の関係者は「裁判所が逮捕状の請求を認めやすくなっていることも大きい。『いまはやってないから大丈夫』と、余裕ぶっている有名人も油断はできない」と警告する。

 石川容疑者の自宅マンション付近に住む男性は「ほとんど交流はないけど、夜に彼の部屋からダンスミュージックが聞こえてきたことはあった」と話す。逮捕時に“同伴者”がいたかどうかについて、同署は「言えない」とした。

 石川容疑者を知るフィットネス業界の関係者は「ろれつが回らないことはなかったし、テンションはもともと高い。(逮捕前に)おかしなところはなかったように思う」と明かした上で、次のように続ける。

「バイセクシュアルで、とてもエネルギッシュな人。セミナーなどで全国を飛び回り、商品や企画を自らグイグイ売り込んでいく。日本で早くからピラティスに目をつけた先駆者で、尊敬する人も多かった」

 半面、番長キャラを演じていた清原容疑者と同様に「知らないところで重圧を感じていたのかもしれない」と言う。

 ヨガやピラティスには自然や精神世界の概念も入ってくることから、大麻や違法薬物に近いと怪しまれることもあるというが「大半のインストラクターは(薬物を)買う余裕なんてありません。あるとしたら、芸能人やセレブを顧客に持つ一部の裕福なトレーナー。彼らは派手な業界との交流もあり、悪いウワサがなかったとは言えない」(同)。

 警察の取り調べに同容疑者は「間違いありません」と認め、意気消沈。今後、使用での立件も視野に捜査を進めるという。