悪性脳腫瘍の疑いで長期療養する俳優・松方弘樹(73)の病名が25日にも分かる。松方は先月、バラエティー番組にも出演し、元気な姿を見せていただけに、突然の大病に多くの関係者が驚いた。

 昨年11月にはゴスペラーズの北山陽一(42)が良性の脳腫瘍で手術。

 ほかにも格闘家のチェ・ホンマン(35)が2008年6月に除去手術を受けたほか、17日には女子プロレスラーのRay(年齢非公表)が悪性脳腫瘍を公表した。

 胃がん、肺がん、大腸がんの3大がんに比べて身近でないため関心の低い脳腫瘍には、いくつかの特徴的な症状があるという。

「脳腫瘍の3大症状は吐き気、嘔吐、頭痛で、そのなかでも嘔吐は吐き気とは別に、何の兆候もなく突然吐いてしまうことがある。また寝ている間は頭蓋内圧が高まるので、寝起き時に頭痛が起こりやすい特徴もある。こうした症状を自覚したら脳腫瘍を疑った方がいい」(仙台ペインクリニック・伊達久院長)

 大人の脳は一定の体積しかない頭蓋骨に覆われているので、脳腫瘍ができると頭蓋内圧が高まり、それによって脳が圧迫されると吐き気や嘔吐、頭痛といった症状を引き起こすのだという。

 また、腫瘍が脳内のどこにできるかによっても、出てくる症状は変わってくる。

「吐き気や嘔吐、頭痛とは別に、腫瘍ができる場所によって視野が狭くなったり、耳が聞こえにくくなったり、顔面がマヒしたり、手足がマヒしたりと、様々な局所症状が現れる。腫瘍が神経を巻き込んでいたり生命維持をつかさどる脳幹部にできてしまうと、手術が困難な場合もある」(同)

 脳腫瘍では頭蓋内圧を下げる治療が行われるが、その際に突然、脳ヘルニアを発症して治療中に命を落としてしまう人もいるほか、数か月前の脳ドックで異常なしと判断された場合でも「悪性は増殖が速く、2~3か月で突然大きくなることもある」という。

 生活習慣などで脳腫瘍を予防することはできないので、発症するかどうかは状況次第。非常に厄介な病気だ。