元プロ野球選手・清原和博容疑者(48)が覚醒剤取締法違反(所持)容疑で逮捕された事件を受けて、芸能界も再び対策に動きそうだ。お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(52)は、21日放送のフジテレビ系「ワイドナショー」で、自身が所属する事務所タレントへの薬物検査実施を“提言”。2009年以来、2度目の“薬物検査ブーム”が巻き起こりそうだという。

 松本は番組で「芸能界もそんなに汚染されてるみたいによく書かれるでしょ。そこまで言う権利はないけど、せめて吉本だけでも、もう何か検査、抜き打ちでもやってほしいわ」と発言した。

 芸能プロダクションが所属タレントや社員への薬物検査を熱心に行うようになったのは09年。酒井法子(45)、押尾学(37)が立て続けに違法薬物事件で逮捕された時だ。「世間から芸能界への風当たりが強くなり、マネジメントサイドも薬物への対処をしないわけにはいかない状況だった。そこで多くの芸能事務所がタレントや社員への薬物検査を行い、薬物問題に取り組んでいることをアピールした」と芸能プロ関係者。

 だが、あれから6~7年がたち、芸能界の薬物排除にかける“熱”が減少していたことは否めない。もちろんタレントが薬物に手を出しているとすれば、発覚した時には大きなリスクがあり、事務所にとっても大きなマイナスとなる。「まともな事務所は、常々『クスリには絶対に手を出すな!』と指導している。それでも薬物検査までする事務所は明らかに減った」(前出関係者)

 厳密に言えば清原容疑者は芸能界というよりも球界の人間だが、引退後はバラエティー番組にも多く出演しており、決して芸能界と無縁の存在ではなかった。その清原容疑者が逮捕されたことで、芸能界は再び薬物排除に向けて動きそうだ。「一昨年のASKAに続いて、清原も逮捕され、いまだ薬物を排除できていないと世間に受け止められても仕方がない。清原の事件を機に、薬物検査を再開する事務所は増えそうです」と芸能プロマネジャー。

 また21日のTBS系「アッコにおまかせ!」で、和田アキ子(65)は清原事件に触れ「よく言われるのが、どうせ戻ってくるんでしょ、芸能界は甘いから。芸能界そんなに甘い? 甘ないよね」とコメントした。

 確かに、過去に薬物事件で逮捕されたタレントが今もテレビに出ている現実はあるが、ここ数年で大きく変わったことは間違いない。和田が言うように、一度失敗したタレントにとってはとても甘いとは言えない状況となっている。

「スキャンダルを起こしたタレントがテレビに出ることはかなり難しくなった。特に覚醒剤で逮捕されたとあれば、なおさらです。ここ数年、何かあると番組スポンサー企業に抗議が殺到するようになったため、企業が出演を許さなくなったのです。実際に酒井だって全国放送の番組に出演したが、関東では放送されないということも起きています。それだけ厳しくなった」とテレビ局関係者。

 清原容疑者は初犯とあって、起訴されても執行猶予付きの判決になるとみられている。だが、復帰に関してはいばらの道が待っていると言えるだろう。