2012年のミス・インターナショナル世界大会で日本人初のグランプリに輝いた吉松育美(28)が大手芸能プロダクション幹部のA氏からストーカー被害を受けたと訴えた件は、吉松が全面的に謝罪する形で幕引きとなった。この騒動で安倍晋三首相(61)の妻、昭恵夫人(53)が事態を混乱に陥れたというから穏やかではない。というのも、吉松が被害を訴えた当初、昭恵夫人は吉松をサポートし、著書などで支援を明言していたからだ。アッキーの軽率さに「安倍政権に影響が出かねない」と心配する声が上がっている。

 吉松がA氏によるストーカー被害を東京地裁に訴えたのは13年12月だった。A氏からテレビ局で暴行を受けたこと、スポンサー候補企業に圧力をかけて仕事を妨害され、家族を脅迫された…などなど、吉松は日本外国特派員協会などで説明した。

 同じころ、昭恵夫人はフェイスブックに吉松とのツーショットを掲載。

「マスコミの皆さん、特定秘密保護法の批判をするなら、彼女のことをきちんと報道して下さい。すべての女性のために吉松さんと力を合わせていきたいと思います」と宣言。週刊文春誌上で2人は対談もした。

 さらに、昭恵夫人は著書「『私』を生きる」(海竜社)で「吉松さんは大手芸能事務所の幹部の人からのストーカー被害を告発していたのです。その男性は彼女の実家に何度も電話をかけたり、探偵を雇って自宅を盗撮したりしていたそうです」と吉松の主張を疑うことなく載せていた。

 ところが、今月上旬に吉松とA氏の間で和解が成立。吉松のブログに先述の内容に加え、A氏が調査会社を使い吉松の自宅兼事務所を調査したり、元TBSアナウンサー・川田亜子さん(享年29)の自殺に関与したと吉松が発言したことなどを撤回することが記された。「これらの記事および発言については自分に非があることを認めます」と事実上の全面謝罪をしている。昭恵夫人が著書に書いたことまで吉松は撤回したのだ。

 もともとトラブルはA氏と吉松のエージェントであるマット・テイラー氏の金の貸し借りが発端だった。芸能プロ関係者は「昭恵夫人が吉松の味方に回ったことでA氏は悪者扱いされてしまった。A氏は相当、精神的に参っていましたよ」と明かす。発信力のある昭恵夫人だけに、ネット上でA氏叩きが行われるなど、金銭トラブルが“芸能界の闇”などと取りざたされる事態に拡大してしまった。

「A氏がテイラー氏からお金を返してもらおうと多少、強引に動いた。それがなぜか吉松に対するストーカーにすり替わってしまった。吉松が強気に出ていたのは、昭恵夫人がいたからに間違いありません。一方的な主張に乗っかってしまったわけで罪は重い。金銭トラブルを昭恵夫人は確認したのかどうか」(前出の芸能プロ関係者)

 結局、現時点でもA氏にお金は戻っていないというからなおさら悪い。

 今なお昭恵夫人は様々な分野に関心を持ち人脈を広げている。今回のように地雷を踏む危険もある。政府関係者は「昭恵夫人は非常にピュアな人で、いろんな人からいろんな話を聞いて、『力になりたい』と思う。でも、それだけになってしまうことが多い」と肝心の政治力がないと指摘する。いわば鳩山由紀夫元首相(69)の“女版”みたいなものだ。

 昭恵夫人は、最近の交流関係も関係者の注目を集めている。

「昨年、池袋の“反政府バー”に通っていることが話題になった。夫人が立教大大学院に通っていたころ(11年ごろ)に訪れて以来の付き合いといいます。店内で安倍批判を聞かされているようです」(前出の政府関係者)

 深刻に捉える人もおり「いろんな人と会う中で、ましてや反安倍政権の思想を持つ人たちとの交流で、うっかり首相の健康問題とか重要な話を漏らしてしまうと大変です。政権運営に影響が出かねない。注意しているとは思いますが、昭恵夫人は酒飲みですからね」(自民党関係者)。

 昨年は布袋寅泰(54)との泥酔キス騒動もあった。

 吉松の主張を全面的に信じて騒ぎを拡大させた責任をどう取るつもりなのか。本紙は昭恵夫人の携帯電話に留守録を残しているが、現在のところ折り返しはなし。自民党議員の緊張感のなさばかりが指摘される一方、アッキーも危険だ。