“カリスマピンク美容師”のエロ狂気だ――。杜の都・仙台で、にわかには信じられないような事件が発生した。美容師の男(34)が、自身の経営する美容院内で初見の女性客に強制わいせつを働き、宮城県警に17日、緊急逮捕された。しかも、被害者はストリップ劇場「仙台ロック」に出演中の美人ダンサーMさん(24)だった。そのあまりにひどすぎる被害の一部始終を、Mさん自身が怒りに震えながら本紙にぶちまけた。

「あの信じられない男には破滅(への道)をたどってほしい」。怒気をはらんだ口調でこう語るのは、ストリップ界の総本山「浅草ロック座」に所属するMさんだ。

 Mさんは今月1~15日に行われた「仙台ロック」での公演のため、仙台市に滞在。10日、明るかった髪色を少し抑えようと、無料情報誌で評価の高かった同市中心街のヘアサロンを予約して訪れた。その美容院は、若年層を中心に奇抜な髪色ができると評判だった。

 黒のカットソーにデニムのショートパンツ、タイツにブーツといった格好のMさんを接客したのが、経営者でカリスマ的な美容師の佐々木智哉容疑者(34)だった。ピンク色のヘアがひときわ目を引く同容疑者が一人で店を切り盛りしていた。

 午前10時に入店したMさんのカラーリングやトリートメントが終了したのは1時間30分後。その間、Mさんが「仙台ロック」に出演しているダンサーであることなど、素性を明かすと、佐々木容疑者は「僕、偏見ないんですよ」とあくまで紳士的な態度だった。下ネタも一切はさむことなく施術が終わると、佐々木容疑者はMさんに「今後もカラーや髪質の相談を受ける」と申し出た。

 そのサービス精神に加え、佐々木容疑者がMさんの出演ステージを見たがったこともあり、LINEのIDを交換。トイレに行って、気持ちよく店を出ようとしたその瞬間、一気にどん底に叩き落とされた。

 突然「いいですか?」と尋ねた佐々木容疑者は「はい?」と戸惑うMさんの背後に回り、後ろから抱きつくようにMさんの腹を両手でつかんだ。そのままカットソーとキャミソールをまくり上げると、ブラジャーの中にも手を入れ、1分以上胸をもみしだいた。

 店は5階でエレベーターがそのまま出入り口なのですぐには逃げ出せない。店内に客は自分1人。ほぼ密室で行われた卑劣な行為にMさんは驚きと恐怖に包まれたが、殴られて体に傷などができたら仕事に支障をきたしかねないと思い、激しい抵抗はできなかった。

 結局、もみたいだけもんだ佐々木容疑者は「いい思いをさせてもらいました」と満足そうな笑顔でMさんに言い放った。屈辱にまみれたMさんだったが、その場を離れたくて「はあ、それは…」と力なく答え、会計を済ませて店を出たという。

 大きなショックを受けたMさんは動悸や息切れが止まらず、おなかも下した。ステージ上でも思うように体が動かせなくなるなど、多大な影響を受けたため、男に連絡を取ることにした。

 あえて、何事もなかったかのようなトーンでメッセージを送ると、男は一切反省の色もなく、Mさんのツイッターの画像でオナニーにふけったことを告白。さらに強制わいせつの一件についても「自然な反応」とふざけた態度を示した。

 これを受け、Mさんは改めて佐々木容疑者の真意を確かめるべく、公演終了後の16日に同店を再度訪問する約束をした。Mさんに会える下心からか、定休日にもかかわらず店を開けた同容疑者は、やって来たMさんの関係者に「自由恋愛の範ちゅうだ」などと不誠実な対応を連発。一連の態度を見て、話にならないと判断したMさんらはそのまま、仙台中央署に被害届を提出。17日午前0時25分に、佐々木容疑者は強制わいせつ容疑で緊急逮捕された。

 悪夢のような事件に、Mさんは「あの時はとにかく嫌で怖かった。今になっても腹が立ってくる。他にもそれくらいはやってきたというような態度のようですから、他に泣き寝入りしているお客さんもいるかもしれない。自分のような思いをする人が今後出てこないでほしい」と強い口調で話した。