東京映画記者会(東京スポーツ新聞社など在京7紙で構成)主催の「第58回ブルーリボン賞授賞式」が9日、東京・千代田区のイイノホールで行われた。大トリに登場した主演男優賞の大泉洋(42)は、念願の受賞に満面の笑み。演劇ユニット「TEAM NACS」で長年、苦楽をともにした安田顕(42)が今月28日に授賞式が開催される「第25回東京スポーツ映画大賞」で助演男優賞を獲得しており、大泉は両映画賞を2人ともに「ダブル受賞したい」と目標を掲げた。

「駆込み女と駆出し男」で主演男優賞に輝いた大泉。登壇すると「ほかの受賞者が表彰されるのを待っている間、とんでもない緊張感が募ってきた。僕は普段、バラエティーを多くやっているので、突然、僕が受賞する前に幕が閉じるドッキリがあるのではないかと心配になりました」と会場を笑わせた。

 北海道のローカルタレントとして人気となり、東京に進出して、早12年になる。

「仲間と帰る場所を持ちながら、この12年間、厳しい東京で仕事ができたのが良かったのかも。保険を掛けてずるいと言われたが、地元で仕事しながら、東京で大きな仕事をしたい人はこの方法論がおすすめ。退路を断って死ぬ気でやろうとするより、地元でやろうとする人が世の中に出やすいのではないか」と地方で夢見る俳優たちにエールを送った。

 その「仲間」である安田も東京で地道に努力を重ね、北野武監督(69)の「龍三と七人の子分たち」で脚光を浴び、東スポ映画大賞では助演男優賞に輝いた。

 大泉は「2人で同じタイミングに賞をもらえているのがうれしい」と笑顔を見せるも、北野監督について聞かれると表情が一変。

「安田から聞いてますよ~。すごく緊張感のある現場だって。セリフも直前に変わることもあるそうですね。僕がその現場にいることを想像したら…。怖くて怖くて」と背筋を伸ばした。

 北野作品への出演について聞くと「いやいや、僕なんて。でも、もし出演したら、安田が(1つ活躍の場を取られたと)嫌がるかも」と話す。それでも近い将来、「TEAM NACSでダブル受賞したいですね」と安田と2人でブルーリボン賞と東スポ映画大賞それぞれの“ダブル受賞”を宣言した。

 来年のブルーリボン賞では司会を務めるが「僕がやったら、ブルーリボンの品格を落としちゃうかも」と大泉は苦笑い。今年は主演女優賞に輝いた有村架純(22)とダブル主演する映画「アイアムアヒーロー」の公開が4月に控える。

「今年に司会をやっていれば映画のいい宣伝になったのに」と大泉。今年は安田とともに俳優としてさらなる飛躍の年となりそうだ。