【東スポ映画大賞】たけし「役者を使い捨てにする映画界じゃダメ」

2016年01月26日 10時00分

日本映画界の問題点を語るたけし

【ビートたけしの東スポ映画大賞総括(1)】日本の映画界を総括すると、映画ってのはエンターテインメントの最高峰のものだけど、かつての大娯楽作品といえば黒澤明監督、社会に対する怒りといえば大島監督ってほどの迫力のある映画はなくなった。いまの邦画ってのはカネがないから、ごく身近な話題を取り上げて、それを広げただけの窓口が狭いものになってる。楽しみたいヤツだけが楽しめばいいって感じで、まるでマニアックな切手とかコインとかグリコのおまけ収集みたいな映画ばっかり。笑わせるなら笑わせる、考えさせるなら考えさせるっていう大なたを振るうような映画がない。その点、オレが言うのもなんだけど、「龍三と七人の子分たち」はちゃんと笑わせたし、ちゃんと客もいっぱい入れたし、文句の言いようがないだろ。

 それにしても、いろんな映画祭ってのは、その時代の人気取りみたいなとこがあるじゃん。いまの女優、男優がつらいとこは、持って2、3年なんだよね。あとは次から次へと新しい役者が出てきて、パッと忘れられちゃう。映画の役者が使い捨ての時代ってとこがある。でも、使い捨てにするような映画界だからダメなんだよ。黒澤明監督はずーっと三船敏郎さんを使ってきたじゃん。全部違う話なんだけど「また出てる」とは言わせなかったじゃん。大島監督も初期の時代はずっと同じ役者を使い続けた。監督が「こいつでいく」って使い続ける役者がいなくなってることは間違いないから、みんな頑張ってほしいね。それが映画の衰退と日本の映画界の問題点だね。