【東スポ映画大賞】北野武監督が4冠!「主演・藤竜也さんに救われた」

2016年01月26日 05時00分

各賞を選考したビートたけし委員長

「第25回東京スポーツ映画大賞」(ビートたけし審査委員長)の各賞が24日、決まった。北野武監督(69)自らメガホンを取った「龍三と七人の子分たち」からは作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞を選出。「今年はこれしかない。“龍三祭り”にする」と宣言した。授賞式は2月28日、都内のホテルで行われる。

 今年はいい映画何かあった? 何もねーだろ。キネマ旬報の受賞一覧を見て「こんな映画、誰も知らねーよ」って笑っちゃったよ。だから“龍三祭り”にしちゃおうぜ。

 よし、主演男優賞は藤竜也さん。近藤正臣さん、中尾彬さん、品川徹さん、樋浦勉さん、伊藤幸純さん、吉澤健さん、小野寺昭さんのじいさんたちは全員、助演男優賞にしちゃえばいい。お年なんで、来られるかどうかは不安だし、授賞式当日までに死んでる方もいるかもしれないけど(笑い)。あと半グレ役の方の安田顕も助演男優賞だね。

 藤さんは「役者だなー」「まじめだなー」と思った。自分がどういう意図で役を与えられ、どういうふうに動いたらいいかをよく分かってるよね。「龍三――」は藤さんのあの雰囲気で助けられたところもあって、あの迫力がないと他の人を引っ張れないなーって。

 初めは近藤さんがイメージチェンジするのが大変らしく、藤さんの演技についていけなかったから、どうしようかと思ったもん。途中からグングン良くなったけど。

 あとは何やかんや、みんな年なんで耳は聞こえない、目は見えない(笑い)。「よーい、スタート」の声が聞こえないんだもん。カンペ作っても「字が小さくて読めない」っていう。メーキングの方が笑っちゃうかもしんないな。

 で、監督賞と作品賞も、誰が何と言おうとオイラ。「龍三――」は興行収入では圧勝だっただろ。それにガタガタ抜かすんなら、山田洋次監督や他の監督がこれだけのお笑いを作れるかってーの。

 女優賞も「龍三――」にしたかったけど、誰も出てないっていう。萬田久子さんにあげたかったけど、出番が少なすぎた。助演って言えるほども出てない(笑い)。じゃあ、素直にノミネートのリストから選ぼう。

 是枝裕和監督の「海街diary」の女優陣が圧倒的だ。じゃあ主演女優賞は綾瀬はるか、助演女優賞は長澤まさみ、新人賞は広瀬すずで決まりだね。綾瀬はるかは7~8年前に「ICHI」で女座頭市やったことあるじゃん。あのときはどうなんだろって思ったけど、今度ので、すごくいいってのが分かった。ぜひ、賞をあげたいね。

 最後に外国作品賞は「マッドマックス 怒りのデス・ロード」がいい。これ、好きなんだよ。「スター・ウォーズ」とか「007」「ターミネーター」とかもそうで、昔のヒットの焼き直しみたいのが多いけど、いまのコンピューター技術で当時よりもっと面白く、完全な娯楽作品にして、シネコンで客が入ればいいって時代にいよいよ入りましたって感じだね。

 日本は文芸とかアート作品とか何とか言ってるけど、そういう映画をかけてくれる小屋は少なくなったからなー。みんなが知ってる作品をいまの技術で焼き直して、徹底的な娯楽作品をシネコンでかけまくる時代の象徴が「マッドマックス――」だ。

◇第25回東京スポーツ映画大賞◇
作品賞:「龍三と七人の子分たち」
監督賞:北野武「龍三と七人の子分たち」
主演男優賞:藤竜也「龍三と七人の子分たち」
主演女優賞:綾瀬はるか「海街diary」
助演男優賞:近藤正臣、中尾彬、品川徹、樋浦勉、伊藤幸純、吉澤健、小野寺昭、安田顕「龍三と七人の子分たち」
助演女優賞:長澤まさみ「海街diary」
新人賞:広瀬すず「海街diary」
外国作品賞:「マッドマックス 怒りのデス・ロード」