SMAP解散問題で渦中の木村拓哉(43)が、独立を画策したグループ育ての親・I女史に追随しなかったその胸中が取り沙汰されている。人生を左右する重大決断を下した背景として、過去のある出来事が関係者の間で指摘されている。キムタクが他のメンバーとは違う道を選んだ理由の一つといわれる“ハンバーガー事件”とはいったい――。

 今回の騒動は、SMAPの育ての親でもあるI女史を、対立するメリー喜多川副社長(89)が追放する形で発生した。I女史に他の4人がついていく一方で、木村だけは事務所に残る意向だ。

 木村の選択には、妻・工藤静香(45)の助言だけでなく、自身の心の奥底にひそむ過去の記憶が影響を及ぼしたとも指摘される。ある芸能プロ幹部が振り返る。

「6~7年ぐらい前の話なんですが、当時、木村がCMに出演する際は、楽屋に大好物のハンバーガーを用意するのがスタッフ間での暗黙のルールとなっていました。特に木村が好きだったのがモスバーガー。そんなわけで、別に木村サイドが要求したことは一度もないのに、制作サイドが気を使って、いつの間にかモスバーガーを必ず置くようになったそうです」

 日本を代表するスターと言っても過言ではないだけに、周囲の気の使い方もハンパではなかったようだ。ハンバーガーを用意するといっても、もちろん「事前に買っておく」程度ではなく、木村の入り時間直前に出来たてをテークアウトして、さりげなく置いておくのが当たり前だったという。だがある時、事件が発生した。

「制作サイドの手違いなのか、リサーチ不足かは不明ですが、肝心のハンバーガーが用意されていなかった。とはいえ、木村自身はもともと自分から頼んだことでもないので、別に気に留めなかった。なのに事務所のスタッフが過剰反応し、ジョーク交じりに、木村の前で渋い表情をつくったのです。そのしぐさに対して木村が激怒したそうです」(前出の幹部)

 木村は、モスバーガーがないことではなく、ないことに自分のスタッフが反応してしまったことが、どうしても許せなかったようだ。

「ああ見えて、木村は謙虚で仁義や礼儀を重んじるタイプ。SMAPの全盛期には、Iさんが広告代理店関係者やテレビ局のプロデューサーといった、高額なギャラの発生する仕事を発注する人たちからの電話でさえ、一発では出ないことが多くあった。当時はあまりに多忙だったので仕方ない部分はあったが、木村はIさんのそうした“殿様商売”のような振る舞いも気にしていた」(同)

 木村が、後輩に対してあいさつなどの礼儀に厳しいことは一部では知られた話。ハンバーガーがないことに怒ってみせたり、わざともったいぶって電話に出ないなどという“上から目線”的な行動に嫌気がさしたというのだ。それは「売れたから独立する」というやり方に対しても、木村の胸中では同様に受け止めたようだ。

 前出の幹部は「もちろん、今では周囲のスタッフもこうした木村の性格を把握し、謙虚になったことで収まっていた。ただ、木村としては過去にそうした事件があっただけに、なおさら自分は、ジャニーズ事務所とは何の確執もなく、恩義のある事務所本体をないがしろにはできないという思いを強めたのではないか」と語った。