女優の土屋太凰(20)が5日、都内で行われたテレビアニメ「僕だけがいない街」の完成披露試写会に満島真之介(26)、赤崎千夏(28)、伊藤智彦監督(37)とともに登壇した。

 今作で声優初挑戦となる土屋は「私にとってはあまりに大きな挑戦。今日は緊張していて真っ白になるのを通り越して透明になりそう」と開口一番、独特の表現で緊張を表した。

 アニメで演じるのは「再上映(リバイバル)」と呼ばれる特殊能力で悲劇を避けようと悪戦苦闘する主人公・藤島悟の少年時だが「正直に申しますと自分の課題をすごく厳しく実感しています。声で命を吹き込むことは難しい」と演じた悟と同じく声の仕事に土屋自身ももがき苦しんだ。


 俳優がアニメの声優を務めることにはアニメ・声優ファンからの抵抗も少なくない。土屋、さらに悟の29歳時の声を満島が演じることが昨年12月に発表された際、作品を見る前から今作を批判する声がネット上では見られた。

 土屋もそれを意識してか「キャリアも基礎もない私が声を担当させてもらうのは責任重大ですが、見てくださる方に鍛えていただけたらと思います。全力を注ぎますので、感想を寄せていただけたらと思います」と殊勝に語った。

 一方、俳優の声優起用には俳優、声優双方にとってプラスの面もある。

 満島は「声優は難しいけど魅力的。(演じる)悟は実写ではなかなかできない顔つき、体つき」と実写では違うタイプを演じられるといい、声優の赤崎も「満島さんは体とお芝居がリンクしていて、転ぶシーンでは実際にマイクの前で転んでいるんです。いつものアニメの現場と雰囲気が違って刺激的」と新鮮さを感じている。

 土屋、満島の起用を決めた伊藤監督も「役者さんは掛け合いの芝居に優れている」とアフレコ現場では可能な限り2人と声優を含めた複数キャストで録音するよう配慮。

土屋も「(声優陣に)最後まで食らいついていきたい」と配慮に応える覚悟だった。

 作品は1月7日からフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」ほかで放送される。