アニメ監督・伊藤智彦氏が振り返る2015年のアニメ業界

2015年12月31日 10時00分



 ――配信会社はアメリカですが、中国から日本のアニメに資金が流れているとの話もあります

 伊藤:最近多いと聞きますね。知り合いのプロデューサーが制作発表で監督を引き連れて中国に行くと言っていました。いろんな現場に中国からやってくれないかと企画も来ているそうです。チャイニーズマネーでどうこうしようとしていた人の一番の懸念はお金が本当に出てくるかどうか。ただ中国向けの作品を国内で見られるのかなとは思っちゃいますね。

 ――以前、「2016年ごろからアニメの本数は減る」という話をされていました

 伊藤:アニメ業界の白書で「2016年問題」と書かれていましたが、来年アニメは本数的はピークになるのではと言われています。アニメの本数についてはポジションによっていろいろと考え方があると思うんです。アニメーターにとっては作品の話が増えるとその分、仕事を受けられるし、片や制作会社の制作からすると、使いたいアニメーターの予定が埋まっていて自分たちの仕事を請けてくれない。監督からすると、良かった演出の若い子たちはみんな監督になってしまっていて、誰にも仕事を振れない。監督になる年齢がどんどん下がってきていて、若手にはチャンスはチャンスなんですけど、下にしっかりした人がいない構造が生み出されている。

 ――最後に。2016年はアニメ「僕だけがいない街」に映画「劇場版ソードアートオンライン」が控えていますが、その後の構想は

 伊藤:その2つ以外にも個人的にはいろいろ動いています。でもアイドルものはやらないと思います。アニメ業界はアイドルに興味のある人がいっぱいいますので、そちらに任せます。どちらかというとアイドルにはまったファンの末路に興味がありますね。