アニメ監督・伊藤智彦氏が振り返る2015年のアニメ業界

2015年12月31日 10時00分

2015年のアニメ業界を振り返った伊藤智彦監督

 アニメ監督・伊藤智彦氏(37)が今年も年末の東スポWebに登場。来年1月7日から放送されるテレビアニメ「僕だけがいない街」、映画「劇場版 ソードアート・オンライン」を控え多忙な中、2015年のアニメ業界を振り返ってもらった。

 


 ――この企画も今年で3回目。2015年のアニメ業界はどうだったでしょう



 伊藤:まず、「バケモノの子」大ヒットおめでとうございます。…という枕から。2015年を象徴するのは何本か作品が落ちたことですね。「血界戦線」は通常放送に最終回が間に合わず(※4か月後に最終話だけ放送)、「ゴッドイーター」は何度も特別編を差し込み、「アイドルマスター シンデレラガールズ」は(連続2クールのはずが)なぜか分割2クールの放送となりました。

 ――「血界戦線」は映像のクオリティーが評判でした。テレビアニメの絵の質はここ数年上がっていますが、制作側としてはあの質をテレビアニメ全体に求められるとつらくはありませんか

 伊藤:そうですね。劇場版アニメならいいですけど、テレビで絵のクオリティーを突き詰めていった先には不幸な未来しか待っていないと思います。そこにアニメ業界にはそろそろ気付いてほしいんですけど。絵を精緻にやるのではなく、面白い話を作ることに注力した方がいい。

 ――年々、冒険的な企画が通りにくくなっていると聞いています

 伊藤:やりにくいですね。その中で「おそ松さん」は例外的な作品だと思います。6つ子のキャストにイケてる男性声優を揃え、女性層をターゲットとして狙うというのはあったでしょうけど、そこに藤田陽一監督の暴走が加わり、カオスなものが生まれて、誰も想像していなかった結果になっていると思います。