2015年1月に東スポWebで掲載すると各所で話題を呼んだ「アニメ媒体じゃできない!2015ブレーク声優をガチ予想」。好評につき今回は2本立て。まずは声優業界に精通する3人の関係者が年始の予想と2015年の声優業界を振り返る「反省編」をお送りします。
(A=アニメ雑誌ライター、B=アニメサイト編集者、C=アニメ音楽関係者)
予想外だったM・A・Oの大活躍
――2015年年始の記事では多くの反響があって驚いたこの企画。まず昨年の予想の反省も含め、2015年の声優業界を振り返ってどうですか。
A:前回の予想について反省するところはないよ。予想した小澤亜李は予想通り2015年出演本数も増えた。種田梨沙も「四月は君の嘘」にも出てたし、野球でいう10勝は挙げたでしょう。Bさんの黒沢ともよも当たってたね。
B:「響け! ユーフォニアム」で主演したしね。
C:黒沢は大学生になって仕事がしやすくなったのがポイントだね。今後も出演作は増えそう。オレも村瀬歩、斉藤壮馬と男性声優の予想は当たったな。
A:逆に予想外だったのがM・A・O(市道真央)の活躍。手元の資料だと出演本数が30本以上で、出演数でいえば今年の声優の中でもナンバーワン。スタッフロールを見ると常にいる印象。
C:出演本数が増えるとイベントがついてくるから声優としては儲かる。
B:アニメの出演料よりもイベントの方が大きいからね。
――タレントからの声優転身でこれほどうまくいったケースは珍しいと思うんですが、何でこんなに仕事が入るんでしょう
A:よく声優オタクが妄想する枕営業なんじゃ(笑い)。
C:それは絶対ない。打ち上げがあっても超速攻で帰らすよ。代わりにマネジャーがずっと居座って飲んでる(苦笑)。本人は女性共演者ともあまり話していないみたい。仕事が増えたのは演技がうまくて、音響監督に気に入られているからだよ。
田所あずさは今年こそくる!?
――逆に雨宮天は期待の割には伸びなかった
A:「TrySail」推しになったからソロ仕事を控えたのかも。セット売りなのかね。
B:「TrySail」は3人の売れ行きのバランスが悪い印象。雨宮、麻倉ももと夏川椎菜に人気の差がある。
C:でも担当のMさんって、麻倉もものイベントには絶対来るよね(笑い)。
A:2015年に田所あずさを挙げたけど、2016年は京都アニメーションの「無彩限のファントム・ワールド」のエンディング曲も歌うし、アニメにもマスコット的なキャラで出演するし、今年はきそう。
C:照井春佳はひと段落したね。稼動は多いんだけど。
B:照井ってかねとも(金田朋子)っぽいからイベントとかラジオだと他の出演者との兼ね合いもあるし、なかなか使いづらそうだよね。実際に諏訪彩花とラジオをやっているんだけど、諏訪自体が天然ボケなのに照井がそれをさらに上回る天然ボケなので、諏訪の持ち味が消えて切ない(笑い)。
――全体を見ると昨年のようにこの声優が売れたというのは分かりにくい
B:今年は声優単体で見ると一発当てたホームランバッターというのがいなくて、アベレージヒッターが多い印象。出演本数で見ると、早見沙織、日笠陽子、佐倉綾音、小澤亜李がいたりとアイムエンタープライズが強いね。
C:外画(外国映画の吹き替え)だと81プロデュースだけどね。逆に青二プロダクションは減った。
A:逆に今はたまを育てているんじゃないの。青二の養成所の「青二塾」は超厳しいんですよ。ジュニアに上がるのも大変だし。主役は遅れてやってくるってことじゃない。
C:ずっと遅刻している気がするけど(笑い)。