18日の任期満了をもって大阪市長を退任した橋下徹氏(46)のタレント弁護士復帰が、所属事務所社長から明らかにされた。退任後の政界引退を表明していた橋下氏は去就について、「ほっといてくれ」とケムに巻いたまま表舞台を去った。来年夏の参院選出馬などへの“ウルトラC”での政界復帰も噂される中、本紙がキャッチしたのは、国政ではない重要首長の座だった。

 橋下氏がタレント弁護士時代に所属していたお笑いコンビ「爆笑問題」などの所属事務所・タイタンの太田光代社長が21日、ツイッターで「橋下徹、弊社タイタンのタレントでありタイタンの顧問弁護士です」と明言した。しかし、様々な思惑がうごめいている。

 橋下氏は退任会見で「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)や「そこまで言って委員会NP」(読売テレビ)などに出演する可能性を問われると「最初に出させてもらった経緯があるので調整はしてくださいと言った」と前向きに検討していることを明かしていた。早ければ年末年始の特番でタレント活動を再開させそうだが、政界復帰の話が消えることはなさそうだ。

 同じ退任会見で橋下氏は「私人に戻る。1人でコンビニに行くのが第一目標」と話していたが、翌19日には東京で安倍晋三首相(61)と会談。安倍首相は慰労会としたが、橋下氏は私人となっていきなり日本のトップと会ってしまった。来夏の参院選では衆参ダブル選挙の可能性も浮上しているため、週刊誌などでは国政進出が既定路線のような報道もされている。

 橋下氏が法律政策顧問を務めるおおさか維新の会関係者は「あまのじゃくの橋下さんのことだから、これだけ騒がれたら国政には出ないでしょう」と苦笑い。そこで急浮上しているのが次期・堺市長選への出馬だ。

「今の竹山修身市長は2009年の市長選で、橋下さんの応援を受けて自民や民主の候補を破って初当選したのに、大阪都構想が重要な局面に入った13年、橋下さんを裏切って(都構想反対の)自民側についた。橋下さんは竹山氏に対して憤まんがたまっている。橋下さんはそのままの状態で何もしないような人じゃない。ひと泡吹かせるために堺市長選に出る可能性はないとは言えない」(同維新関係者)

 実際に橋下氏は、5月の住民投票で都構想が賛成多数になった場合、都構想の範囲を堺市まで拡大するために堺市長選に打って出る可能性を語っていた。退任直前の会見で出馬について問われると「否定しません」とにこやかに返答していた。

 前出の維新関係者は「橋下さんの場合、一国会議員になるより、市長職にいる方が発信力を出せる。府知事から市長になったときも“格落ち”を心配されたけど、全く問題はなかった。それに大阪府、大阪市、堺市のトップが同じ方向を向けば都構想の推進剤になる」と“橋下堺市長効果”を歓迎している。

 誰しもが政界復帰を予測する橋下氏。影響力を失えば維新は力を急落させることは間違いないだけに、戻ってくる場所が重要になる。

 恨みを晴らすべく、2017年9月の堺市長選に照準を合わせるのか、見ものだ。