「火垂るの墓」などの作品で知られる直木賞作家の野坂昭如さんが9日、死去したことがわかった。85歳だった。

 野坂さんは9日午後9時過ぎ、東京・杉並区の自宅で意識がないのを妻が発見。病院に搬送されたが、午後10時半ごろ死亡が確認された。野坂さんは在宅介護を受けていたという。

 小説家としての顔のほか、議員活動をしたことがあった。

 1983年6月、参議院比例代表制選挙に当選。同12月、田中角栄氏の金権政治を批判し、新潟3区から参院選に立候補するが落選した。

 また、1990年、都内のホテルで開かれた大島渚監督と女優・小山明子夫妻の結婚30周年を祝うパーティーの壇上で、泥酔状態の野坂氏がいきなり大島監督に右フックをアゴに浴びせ、これに大島氏が応戦する大立ち回りを演じ、世間を騒がせた。