大みそかの「第66回NHK紅白歌合戦」の司会者が26日、東京・渋谷区の同局で発表され、紅組司会に綾瀬はるか(30)、白組にはV6の井ノ原快彦(39)、総合司会に有働由美子アナウンサー(46)とやはり本紙既報通りだった。だが、サプライズだったのが黒柳徹子(82)の起用。有働アナと総合司会を務めるが「突然今なぜ黒柳?」の答えは、マッチこと近藤真彦(51)の復帰出場に隠されていた。しかもその背景にはジャニーズ事務所内の“暗闘”が――。

 黒柳は記者会見会場には現れず、VTRでコメントした。柴崎哲也チーフプロデューサーは「今年は戦後70年、もうすぐ震災から5年。テレビ、紅白を象徴する方を考えたら黒柳さんだった。私たちはレジェンドだと思う」と起用理由を説明した。

 確かに誰もが予想しなかった人選でサプライズともいえるが、難航した司会人選の結果でもあるようだ。

 本紙既報通り、司会の人選に難航したのが白組の司会。当初は「あさイチ」で活躍する井ノ原に内々定ともいわれたが、そこに「待った」をかけたのがSMAPの育ての親、ジャニーズ事務所の敏腕マネジャーのI女史だった。

「NHKは一時期、タモリの総合司会を検討していたように、司会でも『これ!』という名前を欲しがった。そこで、井ノ原という既定路線に割って入ったのがI女史だった。キムタク(木村拓哉)もしくはSMAPでの司会を打診したといわれています。この流れを決定付けるためにI女史が出したカードが綾瀬の紅組司会だったんです。キムタクお気に入りの綾瀬が紅組司会となればNHKにとってもおいしい話。綾瀬の天然キャラはウケますからね。キムタクは2009年のドラマ『MR.BRAIN』で共演して以来『あや、あや』と何かとかわいがっていますし、綾瀬側も『それならば』と快諾したといわれています」(芸能プロ関係者)

 だが、こうした状況に、ジャニーズの後継者と目される藤島ジュリー副社長が黙っているわけがない。

「ジュリーさんが担当する嵐で培ってきたNHK司会者の流れをいきなりライバル派閥であるI女史に持っていかれるわけにはいかないですからね。何としても井ノ原を予定通り組み込むために持ち出してきた大物が黒柳といわれているんです」(同関係者)

 黒柳とジャニーズの関係はかなり密接。昨年の大みそかから元旦にかけて東京ドームで行われたカウントダウンコンサートでもその関係は見てとれる。今年35周年を迎えて、宣言通り紅白に復帰したジャニーズの“長男”マッチが中心となってスペシャルメドレーを歌ったが、そこに駆けつけたのが黒柳だったのだ。

「近藤さんをデビュー間もないころから支えてきたのが黒柳さん。『私の首に鈴をつける役はマッチ』と引退勧告役を公言するほど絆は強い」と話すのは別の芸能プロ幹部だ。

 事実、ジャニーズ内でも黒柳は大事にされており、ジュリー副社長の母親でジャニーズの実質的経営者ともいわれるメリー喜多川副社長とも黒柳は大の仲良し。

「今回“娘”のためにひと肌脱いでもらったという図式でしょうね。黒柳さんとしても近藤さんが紅白に出るのならば、二つ返事でしょうし、黒柳さんが出てくれば、I女史も引くしかない。NHKとしても大物は出せるし、I女史も納得させられるというところで大喜びでしょうから食いつきますよ」(同幹部)

 ジャニーズは今回、1つの事務所で7組という“快挙”を成し遂げたが、これは大物・黒柳を連れてきた“報酬”といえるのかもしれない。

 ただし、前出の幹部によると「ジャニーズの暗闘は収まったわけではない。紅白は来年もありますからね。SMAPは来年、25周年です。I女史がリベンジを仕掛けてくるのは当然でしょうし、すでにSMAPかキムタクの司会が内々定とも言っていいんじゃないですか」とも。

 紅白司会の座は芸能界にとって絶大な力の象徴だけに“暗闘”はまだまだ続きそうだ。