堺から阿部にチェンジ!? TBS系で現在放送中のドラマ「下町ロケット」が快進撃を見せている。低空飛行の番組を複数抱えているTBSにとっては久々に明るいニュースとあって、局内の盛り上がりはかなりのものだ。ここ数年、TBSを代表するドラマといえば2013年の「半沢直樹」であり、同局も続編制作にこだわって交渉を続けてきた。それが難航していることもあって、今後は看板ドラマを「下町ロケット」に“乗り換える”可能性が高まった。

 阿部寛(51)主演で10月18日にスタートした「下町ロケット」は「半沢直樹」と同じ池井戸潤原作で同じスタッフが制作している。視聴率は16・1%、17・8%、18・6%、17・1%と高水準で推移し、5話目にはついに20・2%と大台に乗った。「初回放送から徐々に数字を上げていることが、局中が盛り上がる要因となっている。『半沢』も同じパターンをたどり、最終的には40%を超えましたから、あわよくばの期待がかかっている」とTBS関係者。

 8日の4話は下がっているが、これは同じ時間帯にテレビ朝日で「世界野球プレミア12」日韓戦が放送され、19・0%を獲得したからとみられている。

「『半沢』の時もそうでしたが、いいものを作ろうと、ギリギリまで撮影して毎回、撮って出し状態。時間との闘いだそうです。それでも、いい物を作れば数字が付いてくると現場の士気は高いそうです」(前出の関係者)

「半沢直樹」が記録した視聴率40%超えを目指して、第6話から新しいステージに突入し、小泉孝太郎(37)、世良公則(59)ら新キャストを投入。TBSも局ぐるみでバックアップしていく。

 22日の視聴率は3連休もあって、17・8%にとどまった。それでも、快進撃は止まりそうにない。

「上層部も『半沢』と同じくらいの手応えを感じているので、『半沢』の時と同じく局を挙げてPRしていくことになりそうだ。10月期のドラマは『下町ロケット』と綾野剛主演の『コウノドリ』の二枚看板で行く予定だったが『下町ロケット』に一本化することが決まった」と制作会社幹部。

「下町ロケット」の大ヒットは、意外なところにも影響を及ぼすことになりそうだ。それは「半沢直樹」に対してだ。

 一昨年に「半沢」の放送を終えてから、TBSは常に続編や特番制作を望み、主演の堺雅人サイドにオファーを出していたのは知られた話。

「だけどなかなか色よい返事はもらえず、堺は9月から来年放送のNHK大河ドラマ『真田丸』の撮影に入った。これでまた1年ほどは『半沢』続編の撮影はできないということ。そもそも堺も“俳優としての色が付く”ということで『半沢』をやりたがっていないとの話もある。いくらTBSが好条件を出しても首を縦には振らないでしょうね。そこでTBSは当分『半沢』続編は諦め、『下町ロケット』の特番や続編制作に乗り出すことになりそう」(芸能プロ関係者)

 TBSが描く理想の青写真としては、今クールで「下町ロケット」がメガヒットした上で、来年に続編、もしくは特番ドラマを制作というものだが、これに問題がないわけではない。それはドラマ後半の部分の原作「下町ロケット2 ガウディ計画」が先日出版されたばかりで、まだ“その先”がないことだ。

「早くも、登場人物のスピンオフドラマが作れないかとか、阿部演じる佃航平の『エピソード0』的なドラマが作れないか、などと様々なプランが浮上しているようだ。TBSとしては『下町ロケット』を今回だけで終わらせるつもりはないだろう」と前出関係者。

 ここ数年、TBSのドラマといえば「半沢直樹」だったが、それが「下町ロケット」に代わる日も、そう遠くはないだろう。

(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)