人気漫画「orange」の作者・高野苺氏がツイッターの公式アカウントを23日に削除した。削除直前には来月12日に公開する実写映画「orange」への不満ともとれる言葉をつづっており、ファンの間で波紋を広げている。


 同作は長野を舞台に6人の高校生の恋愛と友情を描いたSF青春ラブストーリー。若い女性を中心に支持を集め、発行部数300万部を超える人気作。来月には女優・土屋太鳳(20)、山崎賢人(21)の朝ドラ「まれ」コンビが主演する実写映画の公開が迫っていた中での突然のアカウント削除。実は高野氏、削除前にこの映画への不満とも言える言葉をつづっていた。


 高野氏は22日夜、自身のツイッターで「orangeの実写映画ですが、私は観ないことにしました…色々辛いことがあり、観る勇気が出ないので。観たら感想言うと言ったけど申し訳ないです」と突然映画を見ないと宣言。


 さらに「また今度改めて話すかもしれないですけど、でも今はもう映画は映画!原作は原作!と考えられるようになりました。それも最終巻への読者の皆さんの温かい言葉に、原作を大事に思ってくれている方がたくさんいるんだと、すごく励まされました。ありがとうございます!」と続けた。


 内容からは高野氏が映画に何らかの不満があり、自身が原作を務めた映画を見ないという異例の決断を下したことがうかがえる。


 実際に高野氏は映画のキャスティングが発表された7月20日時に配役の最終的なOKは自身が出したことや「実写化について私はかなり厳しい目で見ています。自分が納得するまではOKは出さないという思いなので、もし映画が読者の皆さんに納得いかない場合は私の責任だとそんな心構えでいます」と納得いかなければ映画の中止も辞さない覚悟をツイッター上で示していた。


 文の内容から察するに映画内で高野氏の納得できない部分があったものの、公開時期は迫っており、不満を残したままの公開となったと考えるのが自然だ。


 土屋や山崎などのキャスト陣への不満はないようで、22日のツイートでも「キャストの皆さんもいつも原作を持っていてすごく努力して下さって、みんなキャラにピッタリで観るのを楽しみにしていたけど、こんな苦しい選択をしてしまうことになり、すごく申し訳ない気持ちでいっぱいです」と謝罪している。


 原作者による映画への突然の不満表明。このツイートの後、高野氏の意思に同調し映画を見ないことを宣言するファンや、逆に公開直前での発言を軽率すぎると批判する声など原作ファンの間でもその行動に対する賛否が分かれている。


 高野氏は23日に入りツイッターのアカウントを削除したものの、発言の波紋はさらに広がり続けている。