14日に都内の自宅で大動脈瘤破裂胸腔内出血のため亡くなった俳優・阿藤快(本名・公一)さん(69)の告別式が21日、神奈川・小田原市の斎場で営まれた。

 小田原は阿藤さんの出身地で、生前は「小田原ふるさと大使」を務め、毎年5月には「北条五代祭り」に参加。故郷をこよなく愛した。

 20日の通夜には600人が参列。出演していたTBS系ドラマ「下町ロケット」からは主演の阿部寛(51)が駆けつけた。喪主は長男の基(もとい)さんが務め、戒名は芸名の「快」にちなんだ「眞快公實居士(しんかいこうじつこじ」。亡きがらは同郷の女優・名取裕子(58)から贈られた鯛柄の浴衣を着て、ひつぎに納められた。名取は「顔は怖いけど、優しくて、人に喜んでもらえることが大好き。皆さんが思っているような方だった」と涙を流した。

 阿藤さんは15日、都内の自宅で布団の中で死亡しているのを親族が発見。前日14日は69歳の誕生日で、亡くなったのもそのころとみられる。阿藤さんの妹は「以前から『坂本龍馬みたいに誕生日に死にたい』と言っていたけど、本当にそうなっちゃうなんて…」と絶句した。

 数々の伝説も残した。大の競馬好きで、これまで幾度となく万馬券を的中させた。親交のあった芸能プロ関係者は「レース展開を読むというよりも、暦や色、六曜の法則を大事にしていた。それでバシバシ当たるから驚いた」と明かす。

 芸能界きっての“大物”でもあった。かつて番組で共演したガダルカナル・タカ(58)は、着替え中の阿藤さんをのぞき、あそこの大きさに仰天したと言われる。テレビ関係者も「旅番組のロケで見たことがあるが、本当にデカかった」と証言する。

 仕事のオファーは極力断らず、撮影現場ではいつも明るかった阿藤さん。早すぎる死に「なんだかなぁ~」だ。