コカイン使用容疑で警視庁に再逮捕されたアイドル女優・高部あい(本名・中山あい)容疑者(27)が13日、処分保留で釈放された。妊娠しているとされる高部の体調を考慮して、このまま在宅起訴となりそうだ。一方、ドラッグ供給元の1人とされ、高部のおなかにいる子の父親ではないかといわれている海外在住の若手実業家Xの逮捕が秒読み段階に入った――。

 処分保留で釈放された高部は、この後在宅起訴される見通しだ。

 本紙昨報で、検事が高部に取り込まれて調べが甘くなっている、また身重の彼女の体調を気遣い所持容疑の際の20日間ではなく10日間の勾留にしたという証言を紹介した。

「やはり彼女が妊娠しているというのは大きかったようだ。マスコミに報道され、社会的制裁も十分受けたようなことも検事は言ってるようだし…」とは警察関係者。

 一方、高部へのドラッグ供給元の1人とされ、彼女のおなかの子の父親ではないかといわれている若手イケメン実業家Xには、確実に捜査の手が迫りつつある。さる10日午後には、港区内の実家に家宅捜索が入った。

「期待した収穫はなかったと聞くが、当局は逮捕する気マンマンだ。Xは海外に住んでいるが、帰国することが確認された段階で逮捕状を取り、日本に帰ってき次第、空港で待ち構えて捕まえるようだ」(前同)

 別の関係者からは「捜査当局の本丸はXで、そのために高部を1回(勾留場所から)出して泳がせるのでは」という指摘もある。「高部からおなかの子供の父親じゃないかと疑われている以上、Xは一度彼女と会って話し合わないとダメだろう。そうやって高部にXと接触させ、帰国せざるを得ない状況をつくらせる。それが当局の狙いという話も聞いている」

 いずれにせよ、捜査当局はXを逮捕、そして起訴するタイミングで高部を在宅起訴――そんなシナリオを描いているようだ。法曹関係者によれば「クスリ系の事件で、主犯の男とは違って従属的な立場の女性容疑者、初犯の場合には処分保留で釈放するケースは割とよくある」という。

「処分保留はおとがめなしということではなく、後から罪を問うことができます。いったん身柄拘束から解放して、クスリを流していた人と一緒に起訴、つまり在宅起訴という形をとって、足並みを揃えるわけです。ここまでメディアに大きく報道され逃げ隠れできない、しかも身重の女性を身柄拘束し続けるのはかわいそうという世論をかわす意図もあるでしょう。ただ当局は、クスリの入手先や流通ルートを確実に全部押さえたいわけですから、関連捜査はまだまだ続きますよ」(同)

 本紙既報通り、高部はもちろんのこと、Xの周辺にもドラッグに手を出しているやからがゴロゴロいる。実弟で人気ロックバンド「I」のメンバーY、大物スポーツ選手OBの息子、人気女優と交際中の若手実業家らだ。高部コカイン事件は、思った以上の広がりをみせそうだ。