「2015ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート50語が10日「現代用語の基礎知識」を発行する自由国民社から発表された。

 毎年恒例のお笑い枠からは、とにかく明るい安村(33)の「安心して下さい、穿いてますよ。」や紅白出場を狙う歌ネタコンビ・クマムシの「あったかいんだからぁ」などが順当にノミネート。ピース・又吉直樹(35)の芥川賞受賞作「火花」も選出された。

 スポーツ界ではラグビーW杯で知名度が上がった「五郎丸ポーズ」や、プロ野球で2人の達成者を出した「トリプルスリー」、東京五輪に向けて問題となった「エンブレム」などが選ばれた。

 社会現象では、その便利さと事故の発生が話題になった「ドローン」や春に開業した「北陸新幹線」、中国人観光客による「爆買い」、極力物を持たずに生活するライフスタイル「ミニマリスト」などが入った。

 注目されるのが、政治的な出来事の中で話題になった言葉たちだ。特に「I am not ABE」「アベ政治を許さない」「戦争法案」「自民党、感じ悪いよね」「シールズ(SEALDs)」など、政権に批判的なニュアンスが10語以上含まれている。

 これまでも2008年の「あなたとは違うんです」(福田康夫元総理の発言)や、10年の「脱小沢」(菅直人元首相の方針)など政治的な発言や言葉がトップ10に選出されており、そのたびに主催者側は「政治的思惑はない」としてきた。

 とはいえ、今回の選考は選考委員長のジャーナリスト鳥越俊太郎氏(75)や選考委員の姜尚中東大名誉教授(65)など、安保法や政権に対し懐疑的な意見を述べてきた面々も名を連ねるだけに、お笑い芸人を差し置いて大賞に輝く可能性もある。注目の大賞発表は12月1日だ。