霧島酒造 イモ発電で年間1億6000万円の売電実績

2015年10月28日 10時00分

ガス発電機について説明する鶴憲一氏

 人気焼酎の「黒霧島」などで知られる霧島酒造が、宮崎県都城市の工場で「イモ発電」を行っている。原油価格や原発問題など、エネルギー面で弱点を抱える日本にとって朗報になるのか?

 霧島酒造では契約農家が栽培した「黄金千貫」というサツマイモを4工場で毎日320トン使用して芋焼酎を作っている。搬入時の検品をすり抜けた不良イモが毎日10トン取り除かれ、さらに原料のイモと麹に使った米、水分を含む焼酎カスが一日に640トン生じる。ニーズに応えて大量の焼酎を全国に出荷する裏で、毎日640トンも処理が必要な“カス”が発生する。

 この大量のカスがそのまま発電のエネルギー源となる。同社クリーンエネルギー部の鶴憲一氏によれば「不良イモは粉砕して焼酎カスに混ぜ、メタン発酵プラントに投入。微生物の力でメタンガスを発生させます。2014年に13億円をかけてガス発電装置を3台導入し、同年9月からメタンガスで発電した電気を九州電力に売っています。1年間に一般家庭1000世帯分の年間消費電力量に相当する400万キロワットを発電し、約1億6000万円の売電収入がありました」という。すでにイモ発電は実績を残していたのだ。

 カスの量が多いだけに大量にメタンガスが発生する。その量は設置したガスホルダーに収まり切らないため、発電機導入以前は一部を熱源として使用する以外、ほとんどがただ燃やされていた。「2006年にリサイクル事業を開始し、産業廃棄物としてお金を払って処分していた焼酎カスを、乾燥させて堆肥化するようになりました。この乾燥にメタンガスを使っていましたが、使えたのは発生したガスのせいぜい1~2割。2011年に本社増設工場が開設された際、ボイラーの燃料としてガスを使うようになりましたが、それでも使用できたのは50%足らず。残りは燃やしていました」

 そして昨年、発電装置を導入したことで、メタンガスを100%利用できるようになった。

 もちろん、イモだけで発電するのも可能。発酵から発電までを工場から切り離して独立させることも「物理的には可能です」ということだ。