フェラーリを乗り回す「和食のカリスマ」の裏の顔

2015年10月24日 06時00分

「割烹久田」の店先には、久田容疑者の「体調不良」を理由に臨時休業を知らせる張り紙が…

 カリスマ店主の裏の顔とは――。東京・南麻布で高級日本料理店「割烹久田」を営む久田雅隆容疑者(54)が今年4月、20代の男性従業員に「朝のあいさつがない!」と激高し、股間を蹴り上げ重傷を負わせた傷害容疑で警視庁麻布署に22日までに逮捕された。久田容疑者は「和食のカリスマ」と呼ばれ、NHKの情報番組「あさイチ」などにも出演。テレビの前では“いい人”を演じていたが、従業員にはささいなことで容赦なく罵声を浴びせる“暴君”ぶりで、逃げ出す者も多かったという。

「割烹久田」は1994年にオープン。テレビや雑誌に取り上げられる人気店となり、オーナー兼料理人の久田容疑者は「和食のカリスマ」と呼ばれ、多くのメディアに登場していた。コース料理はディナーが1万円からで、持ち帰り可能な水ようかん(3500円)はダチョウ倶楽部・寺門ジモン(52)が、情報番組でおススメするほど。元プロ野球選手でタレントの長嶋一茂(49)らも足しげく通っていたという。そんなカリスマ店主が暴行で逮捕された。

 麻布署によると、今春に板前の見習いとして働き始めた20代の男性従業員に対して、久田容疑者が「朝のあいさつがない」とブチ切れ、営業前の店内で右肩を突き飛ばし股間を蹴り上げた。

 男性はその場にうずくまり、大事な“ムスコ”は全治1か月の「シリアス・プロブレム(深刻な問題)を抱えるほどのダメージを負った」(捜査関係者)という。

 久田容疑者は27日のNHK「あさイチ」に出演予定だったが、逮捕を受けて取りやめに。同店の店先には臨時休業を知らせる紙が張られていた。

 警視庁の取り調べに久田容疑者は「突き飛ばして蹴ったと言われたらそうかもしれない」と話すも、傷害については否認。被害男性は「修業だと思って耐えていた」と話している。

 カリスマとまで言われた久田容疑者とは、どんな人物だったのか。

「激情型で、男女問わず罵倒していました。調理場はいつも殺伐としていました」と証言するのは元アルバイト店員だ。

「テレビでは温厚そうに見えるけど、店では恐怖の象徴でした。お皿同士がかすかにぶつかり、ちょっと音がしただけで『うるせーんだよ!』と激怒。配膳する女性に対しても、ささいなことで『このバカ!』『ざけんなよ、コラ!!』と罵声を浴びせていました。とにかく言葉遣いがひどかった」

 また久田容疑者は「それをやれ!」との指示をしきりに出したといい、従業員は「それ」が何なのかわからず、本人に確認しようものなら「あん? 何聞いてんだ、このバカ!」と“罵声地獄”が待っていた。なかには頭をひっぱたかれる男性もいたという。

 店のフェイスブックでは頻繁に“急募”とスタッフを募集していた。

「常に求人募集しているのも、こうした状況に耐え切れず、短期間に辞めてしまう従業員が多いからです。最近は外国人も雇っていたそうですが…。本来、すぐに辞めた人にも働いた分の給料は支払わなくてはいけないのに、何人かはオーナーが怖くて、泣き寝入りを余儀なくされていました」(同)

 一方で、久田容疑者は超高級車のフェラーリを乗り回し、知人と「フェラーリ会」を結成。そのメンバーが客として来店した時は「コース料理のほかに、試作品を含め何品も料理を出していました。相手は超セレブですからね。お会計はオーナーのサジ加減。金額を見て『えっ?』と驚いた記憶があります」(同)という。

 金を落としてくれるお客様、知名度をアップしてくれるメディアの前では善人を装い、立場の弱い従業員はボロ雑巾のように扱う。

 ひと昔前ならば、怒りっぽくて、すぐに手が出て、言葉遣いも荒々しいのが“職人気質”なんて言い逃れできたかもしれない。だが、やれブラック企業だ、パワハラだと騒がれるこのご時世では、料理人としての腕がたとえ一流でも逮捕されるのは当然だろう。