デビュー25周年を迎えた俳優でミュージシャンの武田真治(42)が22日、東京・港区のビルボードライブ東京で「LUNA SEA」のギタリストSUGIZO(46)、美人ドラマーのシシド・カフカ(30)をゲストに招いてライブを行った。武田は本紙などのインタビューに答え、これまでの歩みを振り返った。

【顎関節症からの復活】
 ソロツアーは実に19年ぶりだ。当時は、いしだ壱成(40)とともに“フェミ男”と呼ばれ、もてはやされて人気絶頂。だが、舞台のセンターでサックスを吹き続けるにはきゃしゃな体で耐え切れず、あごを痛めて顎関節症になってしまった。

 これが命取りになり、大好きなサックスを2年間吹けなくなるハメに。武田は「自分が賞レースから振り落とされた気がして、お酒に逃げたり誰かのせいにして荒れた。サックスのせいであごが悪くなり、俳優もできなくなったと好きな音楽さえ恨んだ」と振り返る。

 大事なサックスをあきらめなければならないほど追い詰められた武田は自分と向き合った結果、医師のアドバイスなどもあって一から体を鍛えるようになった。

「髪の毛はボーボーだし、虫歯もない。体脂肪率は6・2%で健康診断を受けてもすこぶる調子がいい。サックスも大丈夫。限界までやらしてもらっている」

 現在は自宅にフリーウエートのジムを造り、30~90キロのベンチプレスを10回ずつ、最後に30キロを100回こなす。食事制限はせず、友人から深夜のラーメンを誘われても断らない。この日は朝に200グラムのステーキをペロリと平らげたという。

 トレーニングは意外な“副産物”も生んだ。以前は出なかった迫力満点の高音が出せるようになったのだ。そして何より一番の変化は感謝の心を持つようになったこと。「あの頃の自分がそのままいけば、嫌な人間になっていた。体を壊すまでは『俺は求められているからやってあげている』と、どこかで思っていたから。そういう気持ちだから、神様に試練を与えられたのかな」と苦笑する。

【天使との出会い】
 その後、30歳前後で故忌野清志郎さんに出会い、人生観が一変する。ツアーに同行すると、自転車にハマった清志郎さんは、ライブ会場となる街から街を自転車で移動。ついには「自転車の途中でライブやってます」。そのうち「演奏は面倒くさい」と口走るようになり、なんと自転車で10日間かけて日本橋から鹿児島まで走破してしまった。

 同行した武田は「ロックンロールのイメージで忌野さんに入門したが、お酒はあまり飲まないし、早起きだし、自転車に乗るし…。自分はそれまで体力づくりに重きを置いていなかったが、忌野さんの姿を見て本格的に体を鍛えるようになった」と語る。

 自由奔放な活動で強い印象を残し、いまなおファンから愛される清志郎さんは、武田にとっては大事な恩人だ。

「『後ろでたまにサックス吹いてくれ』って言われただけ。やれと言われて自転車に乗ったわけじゃない。でも、今になってみると、あの人は天使だったんじゃないかと思う」

 清志郎さんの後ろ姿を見て、武田は確実に変わった。

【結婚と同性愛疑惑】
 芸能界は空前の結婚ラッシュだ。「プライベートでも何でも聞いてほしい」と話す武田に結婚について質問が飛ぶと「それは秘密」。直後に「これ、ずっと言ってみたかった」と笑うと「今のところはない。ただ、そろそろ家庭を持ちたいと思っているのかな。これまでは刺激のある人がいいなと思っていたが、次のガールフレンドは普通に家事ができる人がいい」と明かした。

「めちゃイケ」で共演するナインティナインの岡村隆史(45)とは“独身仲間”だ。

「27時間テレビの司会という大役を終えて、動きがあるかなとこっそり思っていたが全くない。今はそういう話をしないようにしているというか、社長が秘書にそろそろ嫁にと話すようにナイーブな話なので、ハラスメントにならないようお互いはれ物に触るような感じで接している」と武田は爆笑した。

「ここらで一発、勢いで結婚してバツがついたほうが印象いいんじゃねえかという話になっている。2丁目で人気? ゲイの噂がある? ここ数年で結婚を報告できないようであれば、そちらの扉開けてみようかな」

 最後は破れかぶれだった。

 全国ツアー「SHINJI TAKEDA 25th Anniversary Tour~Breathless~」は、23日に札幌、26日に名古屋(ゲスト島袋寛子)、31日に福岡(ゲスト藤井尚之)で公演を行う。