大みそかの「第66回NHK紅白歌合戦」の司会者選びが混迷を極めている。一部で総合司会をタモリ(70)が務めると報じられたが、立ち消えになった。例年ならもう発表されてもいい紅白司会者だが、NHKはいまだ沈黙したまま。そんな舞台裏を探ると、なんとここでもジャニーズ事務所内の“あの争い”、SMAP育ての親・Ⅰ女史VS藤島ジュリー景子副社長が関係しているという。

「今年はヒット曲が本当にない。去年のような『アナと雪の女王』『妖怪ウォッチ』といった企画コーナーにできる流行モノもない。ましてやサザンオールスターズや中森明菜のような“目玉”も見つからず、NHK局内でも『今年の視聴率はどうなるんだ…』と不安の声が充満していますね」(NHK関係者)

 そんな苦悩する制作現場で、唯一期待されているのは司会陣だ。

 一部朝刊スポーツ紙は今月上旬、総合司会にタモリを起用することが濃厚と報道し、決まれば32年ぶりの司会と注目されたが、同紙は19日にタモリが辞退したと報じた。

「NHKの『ブラタモリ』も好評ですし、実際に検討はされていましたが、早い段階で難しいことは分かっていた。スケジュールなどは把握できますからね」とは前出のNHK関係者。

 今年に限って、なぜここまで司会者選考が難航しているのか。舞台裏を探ると、本紙も何度となく報じてきたジャニーズの“あの派閥争い”があるという。

「NHKサイドとしては『あさイチ』で“朝の顔”となった『V6』の井ノ原快彦を白組、番組でパートナーを務める有働由美子アナを紅組の司会にしたい意向。今年はV6のデビュー20周年で、メンバーの岡田准一も(昨年の)大河ドラマ『軍師官兵衛』をはじめNHKへの貢献度は高いですから。しかし、そこに“待った”を掛けている勢力がいる。それがSMAPを猛プッシュしている敏腕マネジャーのI女史ですよ。NHKは板ばさみ状態で、なかなか司会を発表できないんですよ」(前同)

 SMAPといえば、昨年まで5年連続で白組司会を務めた「嵐」とともに国民的なスターだ。リーダーの中居正広(43)は過去6回(うち紅組が1回)司会を務めたが、5人全員で司会をするとなると初めてのことになる。I女史はそのために“ある策”を講じたという。

「それが今年70周年を迎えるNHKの長寿番組『のど自慢』へのSMAP総出演です。8月30日に香取が司会を務めて、メンバーも会場に駆けつけた。大きな話題を集め、平均視聴率も関東地区で前週の8・7%を大幅に上回る12・1%を叩き出した。完璧な進行ぶりに、局内から『紅白も!』と期待する声が出たのは事実。しかし、V6は嵐やTOKIOなどのマネジメントを務めるジュリー副社長の派閥です。ジュリー氏からすれば、SMAP起用にうなずくわけにはいかない」(前同)

 もっとも「いま、なぜSMAP?」という疑問はぬぐえない。その答えが、くすぶり続けるI女史の独立問題だ。今年1月に発売された「週刊文春」のインタビュー記事で、ジャニーズ事務所のメリー喜多川副社長(88)はジュリー氏が次期社長と断言した。この報道以降、I女史は独立に向けて準備を始めたと言われている。

「SMAPは来年、デビュー25周年を迎える。フジテレビ系『SMAP×SMAP』も来年で放送20周年で盛り上げたいところですが、I女史にとっては独立に向けて、紅白の司会で弾みをつけたいんですよ」(前同)

 昨年は10月10日に司会が発表されたように、例年は10月中旬には明らかになっていた紅白の司会。

 別のNHK関係者は「今後のジャニーズとの関係を考えれば、“次期社長”ジュリー氏の意向をくんだ方がいいが、SMAPとの関係も良好でいたい。このままジュリー氏とI女史が意地を張り合えば、司会の決定が11月にずれ込む可能性まである」と頭を抱える。

 NHKとすれば、出場歌手だけでなく、司会までジャニーズの派閥争いに振り回されるとは思わなかっただろう。