“フジテレビの憂鬱”がとうとう看板番組まで危うくしている。視聴率低迷が続くフジ社内で、この秋話題となっているのが「来年の『27時間テレビ』はどうするのか?」だという。というのも「いったい誰が担当させられるのか?」と、みんな戦々恐々としているためだ。お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(52)は同局放送の番組内で「『27時間テレビ』は毎年やらなくてもいいのでは!?」と発言したが、局内でも「その通り!」「来年はやらないでほしい!!」と賛同の声が噴出しているという。その理由を追うと――。

 フジテレビで夏の恒例番組となっている「FNS27時間テレビ」は今年、7月25~26日にかけて放送されたが、平均視聴率は10・4%。長い「27時間テレビ」の歴史でも3番目のワースト記録という、惨敗を喫してしまった。

 問題は視聴率だけではない。深夜の時間帯では、お笑いコンビ「平成ノブシコブシ」の吉村崇(35)が、約2000万円で購入した愛車「BMW i8」を破壊したことで大きな批判を浴び、謝罪する騒動に発展した。

 批判の声は大物芸人からも上がった。

 松本はレギュラー出演しているフジの「ワイドナショー」で「若手芸人に丸投げで雑に扱ってる。もっと愛を持って扱ってほしい」と、芸人任せになってしまっている現状に苦言を呈した。

 また本紙客員編集長を務めるビートたけし(68)も「オレと明石家さんまのマネしたんだろ? だけど何も笑いが起きなくて、ただ壊しただけ。30年近くも前にやったコントを超えられないのはまずいよ」と本紙に語っている。

 吉村が自らの意思でやったことではなく、制作サイドの演出だったことは明白だが、40代のフジテレビ男性社員は「言い訳にはならないかもしれないが『27時間テレビ』の演出が雑になるのは仕方がない面もある」と明かす。

 実は、「27時間テレビ」は毎年、各バラエティー番組の制作班が交代で担当するのが慣例。ナインティナインが司会を務めた今年は、「めちゃ×2イケてるッ!」の制作班が担当。SMAP司会の昨年は「SMAP×SMAP」の制作班といった具合だ。

「どの班も、レギュラーの番組を放送しながら、『27時間テレビ』の制作も担当しなくてはならない。レギュラーの放送だけでも大変なのに『27時間テレビ』までやらされるのでは、担当するスタッフは本当に大変。『27時間テレビ』の演出が雑になるのは、こんな理由もある」(同)

 そのため局内では「来年はどの班が担当させられるのか?」と、各番組のスタッフは戦々恐々としているとか。

 ここ2年間は「めちゃイケ」「スマスマ」の班が担当したが、「もう担当できる番組がない」とまで言われているという。

「ちょっと前なら、困ったら『笑っていいとも!』か『クイズ!ヘキサゴン』のどちらかに任せてたけど、今はどっちも終わってしまった。それに好調な番組もほとんどないからね」と30代男性社員は自嘲気味に話す。

 そうしたなか、数少ない候補として挙げられているのが「バイキング」だとか。

「『バイキング』のプロデューサーは『ネプリーグ』も担当しているから、この2番組のスタッフにやらせるのでは?」(同)

 ただし、問題もかなりありそうだ。

「その場合、司会は坂上忍がやるのかな? でも彼は忙しすぎるから、今のままだと“27時間生放送の司会”なんてできそうにない。それに『バイキング』自体、視聴率は全然良くないからねえ。もし『27時間テレビ』を担当しても、視聴率は望めなそう」(同)

 こうした状況で、「ワイドナショー」で松本は「『27時間テレビ』は毎年やらなくてもいいのでは?」とも話したが「実は、あの発言に一番共感したのはウチの社内。『ホントにやめてほしい』と言っている」(同)。

 こんなことでは、面白いものが作れないのも当然か!?

(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)